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はんこん組織(Scar Tissue)

今回は、はんこん組織(Scar Tissue)について簡単に説明したいと思います。

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はんこん組織というと、一般的には皮膚の傷跡や、やけどの痕をイメージするのですが、実は皮膚の下にある筋肉やすじ、靭帯にもできるものなんです。筋肉はケガをすると、伸びたり、部分的に破れたりします。それがうまく回復できなかった場合に、はんこん組織ができ、ほとんどの場合、患部には癒着(Adhesion)が形成されます。

「なんだか難しい話になってきたので読むのやめようか」と思った方、ちょっと待ってください。簡単に言うと、ケガをした後、痛みや腫れがなくなっても以前のような動きが戻らなかったり、普段はまったく痛みがないのに特定の動作で痛みを感じる場合は、筋肉や関節の周りに癒着が形成されている可能性があります。皮膚の傷跡は元には戻りませんが、癒着は治療を通して小さくしたり、またはほとんど完全になくすことも可能です。

これを英語でアディージョン・ブレーキング・テクニック(Adhesion Breaking Technique)、またはマイオファーシャル・リリース・テクニック(Myofascial Release Technique)といって、カイロプラクティックなどでも受けることができます。(注:しない所もあり)

なんだかまだピンとこないと思われるかも知れませんね。それでは実際にあった患者さんを例に、もう少し説明をします。

「四十肩みたいだ」と言って来院された40代後半の女性のケースです。関節炎や変質、遺伝的な関節病、事故など、いろいろな原因が考えられるのですが、一番大きな理由の一つに癒着が挙げられます。聞き取りをしたところ、数年前から腕が少しずつ上がらなくなったということですが、病院での検査では骨や関節に異常はなかったそうです。そこで肩の関節の周辺にアディージョン・ブレーキングを施したところ症状がかなり改善されました。

また、以前庭の手入れをした時に肘を痛めたという30代半ばの男性は、その後痛みはとれたのに動きがぎこちなく、無理に肘を曲げようとすると痛むというので、癒着の可能性があると診断して治療をしたところ、動きに伴う痛みが改善しました。個人差はありますし、ケガをしてどれくらい経つかにもよりますが、皮膚下のはんこん組織による癒着は、このように改善の余地があります。

左右で関節の動きがだいぶ違う、または特定の筋肉が常に凝ってる場合も癒着が形成されてる可能性があります。

(注:同じ症状や年齢でも、ケガの原因や治療の結果は異なる)

[パク先生カイロプラクティック]

韓国(ソウル)生まれ。5才から中学卒業まで日本で育ち、高校からはアメリカで過ごす。 Southern California University of Health SciencesでDoctor of Chiropracticを専攻、VA Greater Los Angeles Health-care Center、VA Sepulveda Ambulatory Hospital 等の総合病院で、Professional Health Trainingを取得。 アクアセラピー(水中リハビリエキササイズ)のインストラクター等、リハビリの経験も多数。 Best Care Chiropractic 32020 1st Ave. S., Suite 114 Federal Way, WA 98003 ☎ 253-838-2744