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SEO対策でオンライン集客 ~ 導入編:現状を把握して、必要な対策を考える

SEO対策でオンライン集客

ウェブサイトのアクセス数を上げるテクニックとして欠かせないのが、SEO(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)。本誌ウェブサイト「SoySource.net」 が受けている UJ シンクタンクによるSEOコンサルティングの一部を、誌上公開!事業者やサイト運営者が知っておきたいSEOの基本をカバーします。

導入編:現状を把握して、必要な対策を考える

Googleアナリティクスでアクセス状況を分析

ソイソース編集部(以下ソ):前回は、SEO対策が大事なオンライン・マーケティングの一環であること、ウェブサイトの内容を的確に検索エンジンへ伝えていく必要があることなど、SEO対策の基本を学びました。第2回のテーマは現状把握です。

UJ シンクタンクの関さん(以下UJ):SEO対策で欠かせないのは、まず現状を把握して課題を認識することです。課題を知ってこそ対策を練ることができます。そのために欠かせないツールが、Googleアナリティクス(以下アナリティクス)とGoogleサーチコンソール(以下サーチコンソール)です。利用は無料ですし、アナリティクスについては「アナリティクス・アカデミー」という無料のオンライン・コースで使い方を学ぶこともできます。

アナリティクスで見るSoysourcenetのユーザー数とページビューの推移

UJ:まずはアナリティクスで、Soysource.netの2019年と2020年のアクセスの推移を見てみましょう。青が2020年、オレンジが2019年、上がユーザー数、下がページビューです。ユーザー数はウェブサイトを閲覧した人の数で、デバイスごとにカウントされます。ページビューは、サイト全体のページが読み込まれた数で、同じユーザーが複数ページを複数回読み込んでもカウントされます。

Soysource.netのユーザー数を見ると、2020年は2019年より減少してしまいました。特に、2019年5月と2020年5月に大きな落ち込みがあります。この原因を考える必要がありそうです。一方で、ページビューは2020年に増えています。これは、直帰率(バウンスレート)が2019年の約87%から2020年の約3.5%へ大きく改善しているからだと思われます。直帰率とは、サイトを訪問したユーザーが1ページのみを見てすぐにサイトを離れた割合です。2020年に入って、Soysource.netを訪れたユーザーが、より多くのページを読んでサイトに留まるようになったということです。Google検索エンジンは、直帰率が低くて滞在時間が長いサイトを高く評価しますので、これはいい傾向です。

ソ:2020年春に、各記事の関連記事を表示するポップアップ機能を加えたので、それが直帰率の改善につながったのかもしれません。しかしユーザー数については、この2回の大きな落ち込みが気になります。アフィリエイト広告収入にも影響していたのですが、原因を明確にできないままでした。

UJ:アクイジションを見ると「オーガニック・サーチ」と呼ばれる検索エンジンからSoysource.netへ入ってきた新規ユーザー数が、2020年に減っています。Soysource.netに対しての検索エンジンからの評価が何かしらの原因で下がり、検索結果での表示回数が減ったためと考えられます。Google検索エンジンのアルゴリズムが、2019年3月にコアアップデート、2020年5月に一部改変されたので、その影響を受けている可能性があります。

Googleサーチコンソールで検索エンジンからの評価を知る

UJ:では、検索キーワードの視点から見てみましょう。サーチコンソールを使うと、キーワードごとのアクセス状況を細かく確認できます。検索エンジンの評価に悪影響を及ぼすリンクエラーや読み込み速度の問題を表示し、修復策も提示してくれるので、サーチコンソールは常にチェックしておくと良いでしょう。

アナリティクスで見る2019年と2020年のアクイジョンユーザーがどこからSoysourcenetを訪れたかを分析できる

2020年5月のユーザー数落ち込みの原因を探るため、サイト訪問につながった検索キーワードについて、この前後で検索結果上のインプレッション(表示回数)やクリック数に大きな落ち込みがあったものを調査しました。そうすると、医療に関する検索キーワードからのサイト訪問数が大幅に下がっていることがわかりました。

同月にあったアルゴリズム変更で、医療とお金に関連する情報は、記事内容の権威性・信憑性を評価して検索結果に大きく反映するとグーグル社が公表しています。Soysource.net内の記事は、医師などライセンスを持つ専門家が執筆するものも多くありますが、それを裏付ける外部リンクがしっかりと張られていないことが問題かと思われます。

ソ:確かに、記事内での外部リンクの徹底をしてこなかったことが思い当たります。専門家による記事の掲載では、内容を裏付ける資料へのリンクを充実させていく必要がありそうですね。

UJ:検索エンジンのアルゴリズムはとても複雑で、しかも常に変わっていきます。これが全ての課題解決になるとは言い切れませんが、このように少しずつ紐解いて、地道に対応していくことが大事です。次回は、Soysource.netにとって重要なキーワードを探って、そのキーワードでの検索順位を上げていく方法を解説していきます。

取材協力:UJ シンクタンク 関 良太郎さん


UJ シンクタンク 関 良太郎さん
UJ シンクタンク(https://ujthinktank.com)のデジタル・マーケティング・コンサルタント。日本の大手システムインテグレーション企業で営業を務めた後、MBA取得のために2008年に渡米。食品メーカーや飲食店のマーケティングなどの勤務を経て、ロサンゼルス地域で日系ビジネス向けに印刷サービスを行うGoshiki LLCと共に2020年、UJ シンクタンクの立ち上げに参加。ウェブサイト構築・運営ほか、SEOコンサルティング、オンライン・ビジネス支援、オンライン広告、SNS運営サポートなど幅広いサービスを提供。レストラン向けPOSレジシステム「Clover」の販売代理店でもあり、米国のレストラン向けに様々なソリューション提供を行っている。

ハイテク関連企業の国際マーケティング職を経て2005年からシアトル在住。2016年にワシントン大学都市計画修士を取得し、2017年から2022年まで北米報知社ゼネラル・マネジャー兼北米報知編集長を務めた。シアトルの都市問題や日系・アジア系アメリカ人コミュニティーの話題を中心に執筆。