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麻葉の見た―アーミッシュの世界 ~第7回~

10年前からアーミッシュ文化について調べている筆者が、2度にわたってペンシルヴァニア州、オハイオ州のアーミッシュ・コミュニティーで暮らした体験を紹介。

寄稿・写真 吉田麻葉

アーミッシュの言葉「ペンシルヴェニアダッチ」

アーミッシュは「ペンシルヴェニアダッチ」という独自の言語を持っています。各家庭ではこの言語が話され、アーミッシュが生まれて最初に覚える言語でもあります。学校に入学してから英語を習い、バイリンガルとなるアーミッシュ。普段の生活では2つの言語を自在に使い分けてコミュニケーションをとっています。
私が滞在していた家庭でも、家族同士の会話は基本的にはペンシルヴェニアダッチが使用され、私がいるときには気を遣って英語で話してくれる、という具合。

▲︎家庭では上の子が下の子の面倒を見る。女の子は赤ちゃ んのおむつ交換もできる。
▲︎家庭では上の子が下の子の面倒を見る女の子は赤ちゃんのおむつ交換もできる

コミュニティによって違うペンシルヴェニアダッチ

驚いたのが、同じペンシルヴェニアダッチであってもコミュニティによって単語やアクセントが違うということ。オハイオ州の友人のアーミッシュは、ペンシルヴェニア州のアーミッシュと話すときは英語を使うそうです。ペンシルヴェニア州とオハイオ州でどれほど違うのかは分かりませんが、英語の方が意思疎通がしやすいとのこと。私が持っていたテキストを見ながら、「これはペンシルヴェニア州の人が書いた本だね」と見抜いた友人。テキスト内の単語を見て気がついたそうです。

近所の子どもに習う、ペンシルヴェニアダッチ

近所の家が家財ごと売り出されるというので、オークションに出向いた時のこと。オークションイベントは2時間以上続いており、私はやることがなくて芝生の上で暇をつぶしていました。親に付いてきた近所のアーミッシュの子どもたちが何人か近くにいたので話しかけてみることに。テキストを見ながらカタコトでペンシルヴェニアダッチを話すと、とても面白がってくれるのが可愛らしい。一般にアーミッシュの子どもはよくしつけられていて、落ち着いている子が多く、誰かの面倒を見ることが得意、というのが私の見解です。オークション会場で面倒を見られていたのは大の大人である私で、子どもたちは丁寧にペンシルヴェニアダッチの発音を教えてくれました。

▲︎アーミッシュもノンアーミッシュも参加するオークションの会場食器や雑貨など細かいのから土地と家まで売られる

[麻葉アーミッシュの世界]