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シアトル広島県人会〜県人会特集2026

故郷を思い、次世代を育む
シアトル広島県人会

夏のピクニックに集まったシアトル広島クラブのメンバーと参加者たち。世代を超えて交流を楽しんだ

シアトル広島県人会は、日本移民が地域社会にまだ十分に受け入れられていなかった1901年、相互扶助を目的に創設。多くの日本人が日本人街に暮らしていた戦前からコミュニティーの絆を支える役割を担ってきた。第二次世界大戦による活動休止を経て1947年に再始動し、創設から125年を経た現在も、220名の会員が所属している。

同会が大切にしているのは、世代や背景を越えたつながりだ。毎年2月から3月ごろに開催される新年会には、約180名が集まり広島音頭を踊る。サマーピクニックやゴルフ大会、酒蔵ツアー、マリナーズ観戦、毎月開かれる他県人会との合同カラオケ大会など、多彩なイベントが行われている。

創設当時から受け継がれてきた助け合いの精神は、今も力強く息づいている。戦後の広島復興支援や呉市庁舎再建への寄付活動を礎に、近年も被災地支援に取り組んできた。また広島県と連携し、80歳以上の会員への知事表彰や世代を超えた青少年交流事業を実施するなど、地域と故郷を結ぶ架け橋であり続けている。

ピクニックでは、持ち寄りの食事を囲みながら和やかに交流。地域のつながりを感じるひとときとなった

次世代の育成にも力を注ぐ。1964年に始まった奨学金制度では広島にルーツを持つ高校生を支援してきた。当初75ドルだった支給額は、1990年に1,000ドル、2018年に1,500ドル、2021年には3,000ドルへと増額。今年度からは支給人数を3名から5名に増やし、対象も大学生や大学院生へ広げるなど制度を拡充している。5年前に奨学金を受け取った理事のミキ・クスノセさんは、「単なる金銭的な支援にとどまらず、自分のルーツへの誇りとアイデンティティーを再確認する大きな支えになった」と振り返る。

一方、被爆地・広島にルーツを持つ団体として、平和への思いと記憶の継承も重要な役割と位置付けている。公式YouTubeチャンネルでは、同会が行った被爆者インタビューに英語字幕を付けて公開。ワシントン州生まれで被爆した日系アメリカ人や、戦後に渡米した人が英語で語る貴重な証言も収められている。毎年8月初旬には、グリーン・レイクで行われる灯籠流しで共同スポンサーを務めるほか、シアトル別院と共同で追悼式典の開催を50年以上継続。有志による地道な草の根活動を通じて宗派を超えた祈りの場へと発展し、昨年からはユダヤ教やキリスト教の宗教指導者も招いている。広島に心を寄せる者として、平和を祈り記憶を次の世代へ語り継ぐことは大切な使命と捉えており、こうした平和への取り組みは同会を特徴づける活動の一つとなっている。

同会が目指すのは、これからも人々に求められる存在であり続けること。100年前の日系人や日本人が抱えていた問題と現在直面している課題は異なるからこそ、時代に即した団体でありたいと考えている。「私のように創立当時から家族が関わり、3代、4代にわたって県人会に所属している人だけではなく、シアトルと広島の関係を深めたいと願う人が、『ここなら自分の居場所がある』と感じられるよう温かく迎え入れる場にしたいと考えています。広島が好きで、コミュニティーを大切にする全ての方を歓迎します!」と、副会長のブレント・カワハラさんは笑顔で語った。

Seattle Hiroshima Club

会費:$10
問い合わせ:info@seahiro.org ウェブサイト:https://seahiro.org
FB:Seattle Hiroshima Club Youtube:@SeattleHiroshimaClub