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動揺と悲しみを抱えたスパイダーマン
Spider-Man: Brand New Day
(邦題『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』)
スパイダーマンの3代目、人気絶頂のトム・ホランド版の4作目だ。いつまで作り続けるのだろう? そろそろ息切れ? とあまり期待せずに鑑賞したが、意外や意外、なかなか面白かった。全米オープニング興収の歴代1位となったのも納得で、超のつく大ヒット作品となった。
前作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』から4年後が舞台。ドクター・ストレンジの呪文により、世界中がピーター・パーカーの存在を忘れていた。良き理解者だった叔母メイ(マリサ・トメイ)亡き後、恋人のMJ(ゼンデイヤ)や親友のネッド(ジェイコブ・バタロン)とも離れて、ピーターはニューヨークで一人暮らし。正体を隠してスパイダーマンとして犯罪と戦う日々。そんなある日、ピーターは偶然マサチューセッツ工科大学を卒業してニューヨークに戻ってきていたネッドとMJを見かけ、動揺する。言葉を交わすが、二人は全く彼のことを覚えていなかった。翌朝起きてみると、ショックからか感覚が研ぎ澄まされ、体に変調が起きていた。しかも、ダメージ・コントロール局(DODC)の施設で起きた事件に駆けつけると、謎のテレパスに体を乗っ取られて凶暴になり、警察官にけがを負わせてしまう。自らの変化をコントロールできないと知ったピーターは、大学で物理を教えるブルース・バナー(マーク・ラファロ)を訪ね、緑の巨人ハルクへの変身を抑える装置について尋ねるのだった。
ここまでがほんの序章。この後、物語は次々と人に憑依しながらDODCへ攻撃を続けるテレパスと戦うスパイダーマンの姿と、ピーターのことを忘れてしまったMJとの辛い再会を同時進行で見せていく。懸命に悪と戦うピーターがMJと会った途端、体調がおかしくなるという設定が面白く、観客はなんとかMJとネッドの記憶が戻ることを願ってしまうという仕掛けだ。そんなハラハラは最後まで続く。
ダイナミックなアクションに加え、動揺や悲しみを抱えるピーターの姿を巧みに描いたのは、マウイ島出身の日系アメリカ人、デスティン・ダニエル・クレットン監督だ。
本作の成功要因は好感度抜群のホランドの熱演によると思う。今年30歳になったとは思えない童顔と鍛え抜かれた体を見せてシリーズを牽引し、たぶんほかのスパイダーマンと比べても彼が最もピーターに近いと思えた。
ブルース以外にもアベンジャーズのメンバーやTVシリーズのパニッシャー(ジョン・バーンサル)が登場したりと脇もバッチリ。クレジットの最後に次回作を予感させる場面も。いつまで作り続けるつもり? とは思いつつも、やっぱり次回作も見たくなってしまった。
Spider-Man: Brand New Day
(邦題『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』)
写真クレジット:Sony Pictures Releasing
上映時間:2時間25分
シアトル周辺ではシネコンなどで、標準、3D、3D D-BOX、XD、D-BOX、D-BOX XD等にて上映中。


















