主人公クララとくるみ割り人形が繰り広げる温かくワクワクな冒険物語
パシフィック・ノースウエスト・バレエ
「くるみ割り人形」
チャイコフスキーの三大バレエの一つ「くるみ割り人形」がパシフィック・ノースウエスト・バレエ(PNB)によって12月28日(日)まで公演されています。アメリカで長く親しまれているジョージ・バランシン版の演出で、多くの子どもキャストが起用されたほほ笑ましい夢物語は必見です。
取材・文:西東円佳
バレエ団に所属する多くの子どもたちは、将来のバレリーナを目指し、「くるみ割り人形」の舞台に立つことを大きな目標としている。そんな子どもたちの舞台を楽しみに訪れた観客の中にも子どもの姿が多く見られた。会場のロビーには巨大なクリスマスツリーが飾られ、来場客を出迎えていた。家族連れが列をなしてツリーの前で写真を撮る光景はほほ笑ましかった。
ドイツの作家E.T.A. ホフマンの物語『くるみ割り人形とねずみの王様』をもとにロシアの作曲家チャイコフスキーによってバレエ化された本作品は、時を越えて愛され続けるクリスマスの温かい物語である。主人公のクララは名付け親ドロッセルマイヤーからくるみ割り人形を贈られるが、大喜びするクララの前で、兄フリッツがそれを壊してしまう。修理してもらったものの人形のことが気になって眠れないクララは、夜中の12時に様子を見に部屋に戻ると、そこは……。
PNBの生徒たちによるクリスマスパーティーのシーン
シアトルを拠点とするパシフィック・ノースウエスト・バレエによる「くるみ割り人形」は、地元の才能あふれる子どもたちが大活躍する舞台として知られている。無邪気な子どもたちの動きや表情をリアルに感じられる演出に、生演奏のハープが響き、どこか懐かしいクリスマスの情景がよみがえり、観客を夢見心地にさせる。有名なクリスマスツリーがどんどん高く伸びていく演出や、チョコミントパフェやキャンディーケーンの衣装でのバレエパフォーマンスは、クララが大好きなデザートに囲まれて喜んでいる世界を、ユーモラスかつ華やかに描き出す。
雪の降る夜に舞う美しいシーン
第二幕ではプロのバレリーナによるソロパートが数多く登場し、世界各国のお菓子をテーマにした演出など、目が離せない場面が次々と展開される。
公演中は終始やわらかな雰囲気に包まれていた。希望や純粋さが随所に込められた物語は、クリスマスの小さな奇跡が子どもたちの夢をそっと後押ししているように感じられた。毎年この時期に家族で観にいくことを恒例にしている人が多いのもうなずける。スタンディングオベーションが鳴り止まなかったのも、もちろん納得の舞台だった。
雪の降る夜に舞う美しいシーン
場所:Marion Oliver McCaw Hall
301 Mercer St., Seattle, WA 98109
料金:$39〜
問い合わせ:☎️206-441-9411、tickets@pnb.org
チケット:☎️206-441-2424、https://order.pnb.org/events?k=nutcracker
詳細:www.pnb.org/nutcracker


















