日本を代表する文化の一つでもある「コミック&アニメ」の祭典、サクラコンの開催が迫っています。それにちなんで、シアトル在住のカリスマ・コスプレーヤー、ジェマくまさんとコミックライター、ランバート華子さんにインタビュー。サクラコンゲスト情報、スタッフお気に入りのマンガもご紹介。
取材・文:越宮照代、瀬島咲希、山本夕紀、山添史 マンガ紹介:編集部員一同
ソイソーススタッフおすすめの
「私のお気に入りのマンガ」
『ヒカルの碁』
原作:ほったゆみ 作画:小畑健 集英社刊
主人公・進藤ヒカルはごく普通の小学校6年生。祖父の家の蔵にあった古い碁盤に血痕を見つけて、碁盤に宿っていた平安時代の天才棋士・藤原佐為(ふじわらのさい)の霊に取り憑かれる。囲碁のルールも知らないヒカルは、「神の一手を極める」という佐為の壮大な夢に従ううちに、自分の力で打ちたいと思うようになる……。囲碁を通して広がる人間関係もみどころ。キャラクターひとりひとりの心の成長や心理描写が秀逸で囲碁のルールを知らなくても楽しめる。(K)
『ジョナ散歩』
作者:ケイケイ 講談社刊
もし目の前に願いを叶えてくれる小太りのおじさん妖精が現れたら……? 散歩が趣味の妖精ジョナサンと、彼が訪れた人々とのエピソード。シュールでテンポの良い会話。イラストやストーリーはシンプルで素朴だけど、クスッと笑わずにはいられない。暇つぶしにどうぞ。元は著者の『ワンダフルライフ?』のスピンオフ作品だったのが、今や本家よりも人気の作品に。NHKで実写ドラマ化され、主演を六角精児が演じた。(S)
『アイシールド21』
原作:稲垣理一郎、作画:村田雄介 集英社刊
いじめられっ子の主人公・小早川瀬那は、使い走りで鍛え上げられた瞬発力と足の速さを見込まれて高校でアメフト部へ強制入部。弱虫な瀬那がアメフトを通じて、人として選手として成長を遂げる熱いストーリー。俊足の弱虫、頭脳明晰な凡人など、一芸のみに秀でた個性豊かな登場人物が集まって最強のチームを作っていく。凡人はどうすれば天才を超えられるのか。日本の漫画では珍しいアメフトを題材にした、軽快なテンポで進むマンガ。(N)
『坂道のアポロン』
作者:小玉ユキ 小学館刊
1960年代後半の長崎、佐世保の高校に都会から転校してきた薫は、ジャズドラマーの千太郎と出会い、ジャズに夢中になっていく。心を閉ざしがちだった主人公が、地方のゆったりした環境と人々の中で変わっていく様子が心に浸み込む。一作ごとのタイトルがジャズの名曲の題名なのも心にくい。舞台となった港街の美しい景色や、アメリカの文化の影響を強く受けた土地ならではの物語とレトロな雰囲気が魅力だ。少女マンガだけど、男の友情物語。(F)
『綿の国星』
作者:大島弓子 白泉社刊
擬人化された子猫のちびねこが主人公。大学受験に失敗した予備校生の時夫に拾われ、諏訪野家の一員になる。いつかは人間になると信じて時夫を愛するちびねこの心は、人間の少女のように揺れ動く……。ふわふわとファンタジーのような物語でありながら、少女の深層心理を表した文学性の高さが広く評価されている。30年以上も前の作品なのに、時代を超えて何度も読み返したくなる。84年にはアニメ映画化された。作者は少女マンガの神様とも呼ばれる。(T)
『聖(セイント)☆おにいさん』
作者:中村光 講談社刊
世紀末を無事乗り越えた倹約家のブッダと浪費家のイエスは、下界でバカンスを過ごすため、東京都立川の安アパートで共同生活をする。ストーリーの随所で宗教的なことが出てくるが、絶妙なコメディータッチで描かれており、笑いはあれどいやみはなし。お神輿をかついでつい「アーメン」と言ってしまうイエス、手塚治虫の『ブッダ』を読んで感涙にむせぶブッダ……。世界中の人が読んだら宗教戦争がなくなるかも。(F)
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2016年度 SAKURA-CON情報