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キング郡議会が医療従事者らを対象に緊急チャイルドケア資金220万ドルを承認

キング郡議会は3月31日、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)を受け、医療従事者やエッセンシャル・ワーカーと呼ばれる州民の生活を維持するうえで必要不可欠な業務を担う人たちを対象にした、チャイルドケア(子供の一時預かり)資金220万ドルを承認した。

この措置は、キング郡長のダウ・コンスタンティン長官が要請。議会の全会一致で可決され、キング郡の教育予算から220万ドルが拠出される。これによって、自宅待機令の中でも最前線で働き続けている、医療専門家や医療スタッフ、緊急時に初期対応にあたる職種の人たち、チャイルドケア従事者、食料品店や薬局、公共交通機関で働く人などが、無料で安心して子供を預けられる体制が整うことになる。

これまで、チャイルドケア事業者の多くが利用者の減少を理由に一時閉鎖しており、医療従事者やエッセンシャル・ワーカーが子どもの預け先を確保するのに苦労しているという問題があった。この予算承認を受けて、キング郡はチャイルドケア事業者らと協力し、事業者とサービスを必要とする家庭とのマッチングを行っていく。認定された事業者は、最新の安全衛生ガイドラインへの対応や保険などの初期費用が発生するため、通常より高い額の補償を受け取れる。新型コロナウィルス関連の事態が収束し、市民の日常生活が戻った際に、十分な数のチャイルドケア事業者が営業継続してられるように、それを後押しする第一歩ともなる。

このプログラムは、キング郡のコミュニティ・ヒューマンサービス部門が統括し、契約や支払いなどの運営はシアトル市が行っていく。キング郡所在のチャイルドケア事業者、キング郡在住もしくはキング郡で働く医療従事者などエッセンシャルワーカーの全てが適応対象になる。

*同記事は、こちらのキング郡からの3月31日のプレスリリースを元に、日本語で情報をまとめたものです:https://www.kingcounty.gov/council/news/2020/March/3-31-CB-childcare-covid-release.aspx

(編集部より)

シアトルの日系コミュニティーでは、めぐみ保育園すぎのこ保育園などが、自宅待機令の発令後も、医療従事者やエッセンシャル・ワーカのご家庭のために、キング郡の公衆衛生上の注意に従い、先生やスタッフの皆さまが細心の注意を払いながら、営業を続けてくださっています。最前線で働き続けてくださる医療従事者やエッセンシャル・ワーカーのご家庭、そして、保育園関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。

keiko schlegel
フリーランス翻訳家・通訳。外務省派遣員として、92年から95年まで在シアトル日本国総領事館に勤務。日本へ帰国後は、政党本部や米国大使館で外交政策の調査やスピーチ原稿の執筆を担当。キヤノン元社長の個人秘書、国連大学のプログラム・アシスタントなどを経て、フリーに転身。2014年からシアトルへ戻り、一人娘を育てながら、 ITや文芸、エンタメ系を始めとする幅広い分野の翻訳を手がける。主な共訳書は、金持ち父さんのアドバイザーシリーズ『資産はタックスフリーで作る』など。ワシントン州のほか、マサチューセッツ、ジョージア、ニューヨーク、インディアナ、フロリダに居住し、米国社会に精通。趣味はテニス、スキー、映画鑑賞、読書、料理。