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デルタ航空 シアトルー成田ー関空 研修旅行体験記

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今年3月27日、デルタ航空が全米7都市(ニューヨーク、デトロイト、ミネアポリス、アトランタ、シアトル、ポートランド、ロサンゼルス)ー成田ー関西国際空港を結ぶ路線の就航を開始した。それに伴ってデルタ航空では4月にアメリカ主要都市の日系旅行代理店と日系メディアから計14人を招待して、各都市から成田を経由し関空への乗り継ぎ体験研修旅行を実施した。

シアトル・タコマ国際空港でラウンジ体験

4月15日、快晴の中シアトル・タコマ国際空港(以下、シータック)へ。往路はビジネスクラスを用意してもらったため、チェックインもTSA(運輸保安局)による保安検査も優先列(プライオリティー)が使え、長い列に並ぶ必要がなかったのはありがたかった。
事前に注意されていたのが、保安検査後もシータック内の免税品店でウィスキーやワインなどの100ml以上の液体物の購入はしないようにということ。なぜかというと、成田で関空便に乗り継ぐ際に再度保安検査が行われるが、その時に日本政府の規制で100mlを超えるあらゆる液体物の機内持込みが禁止されているためだ。
airport-floormap-min この日は3時間のゆとりを持って来たことと保安検査が早く終わったのとで待ち時間はたっぷり。そこでビジネスクラス客が無料で利用できるラウンジ「スカイクラブ」で時間をつぶすことにした。ラウンジは搭乗ゲートのすぐ近くにあり、専用エレベーターで2階へ。受付で搭乗券を見せて中に入ると想像以上に広々としたラウンジで、大勢の人がPCを開いたり、雑誌や新聞を読んだり、窓の外を眺めたりしてくつろいでいる。受付のそばには朝日新聞や日本経済新聞などの日本の新聞も含めメジャーな新聞がサービスで置いてあるのも嬉しい。

シータックのスカイラウンジにはフルバーもある
シータックのスカイラウンジにはフルバーもある

部屋の一角にはセルフサービスでオートミール、フルーツ、マフィン、シリアルなどの軽い朝食、コーヒー、紅茶、ジュースなどが用意されており、バーでは無料のカクテルもサービスしてくれる。ラウンジで用意されているのはもちろんスターバックスのコーヒーで、5月からは地元、Beecher’s CheeseのチーズやTop Potのドーナツも楽しめるとのこと。
ラウンジは一般客も59ドルで利用できるので、待ち時間を利用して仕事をしたい人などにはとても便利だ。今回利用したのはターミナルSのスカイラウンジだったが、今夏にはゲートAとBの間にもうひとつのスカイラウンジができるそうだ。

成田空港で関空への乗り継ぎは「国際線」

行きの機内はビジネスクラスでゆったり
行きの機内はビジネスクラスでゆったり

シータックから成田へのビジネスクラスの座席は、さすがにゆったりして乗り心地満点。足が伸ばせて体を完全に180°横にして休めるというのは、長旅であっても疲れ方がまるで違うのを実感した。この日のパーサーは偶然にも、昨年の9月10日号ソイソース「特集シアトルで出会ったイケメン」で登場してもらったラリーさん!この時とばかりに写真撮影をお願いしたのだが、ほぼ満席状態で忙しいにも関わらず、とても親切にしてもらった。

ビジネスの機内食
ビジネスの機内食

快適なビジネスクラスの旅を終えて、翌16日午後2時30分過ぎに成田に到着。搭乗口を出ると、関空乗り継ぎ客の名前を書いたサインを持ったデルタの職員に迎えられた。ここからは「国際線乗り継ぎ」のサインに従わなくてはいけないのだが、成田は日本だからとうっかり「入国審査」に進んでしまう人がいるそうなのだ。一度入国手続きをしてしまうと、関空便に乗るにはもう一度チェックインし、保安検査を通らなくてはならず、荷物も降ろして預けなおすなど大変な手間と時間がかかり、乗り継ぎには間に合わない。そうした間違いを防ぐために、現在は職員が乗客を出迎え、国際線乗り換え方面に誘導しているそうだ。万が一職員と会えなくても、アメリカから来た私たちは関空に着くまでは外国と思って、「成田に着いたら国際線乗り換え」をしっかり覚えておこう。
預けた荷物はそのまま乗り換えの飛行機に積み込まれるため、受け取ったり預けなおしたりの必要はない。ただし「成田での保安検査では優先列などの特別ラインがないので到着したら早めに保安検査に行くようにおすすめします」と参加した旅行代理店の人から後にコメントをもらった。

成田の免税品店で駆け込みショッピングも
成田の免税品店で駆け込みショッピングも

各都市からの成田での乗り継ぎ待ち時間は、シアトルが一番長くて2時間10分、短いのがポートランド、アトランタの便で45分。45分は短いようだが、デルタはすべて同じターミナルに着くため、「乗り継ぎにはまったく問題ない」とアトランタからの参加者のコメントがあった。シアトルから参加した旅行代理店IACEトラベルのオペレーションマネージャー阪元由紀子さんは、「成田ー関空便はデルタ航空のお客様のための乗り継ぎ専用便なので、多少デルタの国際線が遅れても、時間が許す限り待っていただける可能性が高いですね」と言い、「それにたとえ間に合わなくてもデルタは他社の乗り継ぎを手配してくれるなど、最後までケアしてくれます」とデルタのサービスに信頼をおいている。

富士山と三宅島が見える絶景のフライト

参加者は成田で集合し、関空便に同乗。関空へのDL473便のフライト時間は1時間40分と短いのだが、思いがけないハイライトがあった。右窓側席に座っていた筆者が、「もしかすると」と期待しつつ下方を注意して見ていると、ほぼ真上から富士山が見られたのだ!前出の阪元さんによると、左側席からは三宅島が見えるそうだ。復路はそれぞれが反対側に見えるので、往復で乗る場合は同じサイドの窓側にすると、どちらも見られることになる。

機内から富士山が!
機内から富士山が

関空に到着するとすっかり夕暮れ時だった。ここから我々一行は空港に隣接するバス乗り場からリムジンバスで大阪市内に向かったが、JRの関空駅が目の前にあるので電車での移動にも便利。バス乗り場からはあらゆる方面へのバスが出ている(ので、どこに行くにしろ移動手段に苦労することはなさそうだ。

関空を後に大阪市内に向かうバスの中から
関空を後に大阪市内に向かうバスの中から

大阪の街を散策

翌日1日自由時間。参加者はこの1日を、あべのハルカス、通天閣、道頓堀、心斎橋と、それぞれ異なった場所に出かけて楽しみ、中には寄席に行った人もいたらしい。筆者は旧友と再会して梅田のビル街を散策。10年前とはまるで様変わりしたモダンな大阪にただただびっくり。とは言え巨大な近代的ビルの谷間に駐輪場が隣接しているのを見て「やっぱり日本だ」。3周年を迎えたというグランフロント大阪では、話題の近畿大学水産研究所が運営するレストラン「近畿大学水産研究所」に行き、同大学で養殖されたという魚の料理を賞味。なかなかのものでした。

近畿大学水産研究所にて
近畿大学水産研究所にて

その後で「モダンな大阪もいいけれど、大阪らしい顔が見たい」と言うリクエストに応えて友人が連れて行ってくれたのが、「お初天神裏参道」。路地の両側に居酒屋や小料理屋がずらりとならび、店の前にも椅子やテーブルを置いて、ごちゃごちゃ感がなんともいえず大阪らしい。

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復路 関空の保安検査を通ればアルコール購入OK

大阪で1日自由時間を過ごし、18日は往路と逆の路線を体験した。まず関空から成田へ飛ぶ。関空を午後1時10分発の便だが、国際線扱いなので2時間前の11時頃に空港へ到着できるよう大阪駅前からリムジンバスに乗る。月曜日というのに満席だ。関空でチェックインし保安検査を終える。成田よりも人が少ないので早く終わる。これは大きなプラス面だ。もうひとつのプラス面が、来る時と違って、保安検査を終えた関空の免税品店でアルコール等の液体物を買ってもよいというところ。日本の免税品店では購入したものをSTEBS(Security Tamper-Evedent Bags)という特殊な袋に入れてくれる。この袋を開封しない限り、成田の保安検査でも没収される心配はない。
関空では出発までの時間をラウンジ「飛鳥」で、和風の軽食を楽しみながら過ごす。新聞では熊本、大分の地震のニュースが大きく報道されていた。
成田到着午後2時45分。デルタ職員の出迎えがあり、国際線乗り換えのサインに従って同じ第1ターミナルで保安検査を通過。来た時と同様、預けた荷物は積み替えてくれるので、受け取りや再預け入れの必要はない。シアトル行きは午後4時40分発。この時点で約1時間のゆとりがあったため免税品店で買い物。その後、デルタスカイクラブのラウンジでコーヒーを飲みながら一休み。出発ゲートはすぐそばなので、アナウンスを聞いて出れば充分に間に合う。
帰りはエコノミークラスのため行きほどの快適さは望めなかったものの、「 スリープキット」アイマスク、耳栓、ボトルの水などのサービスがあったのは嬉しい。また、エンターテイメントはビジネスクラスとコンテンツが同じなので、映画やテレビ番組は300本以上あり、日本語のコンテンツも多彩なのに驚いた。
乗り換えがあると荷物がなくなったとか、フライトが遅れて乗れなくなったというホラーストーリーをよく聞く。筆者も乗り継ぎ便はできるだけ避けるようにしていたのだが、DOTのデータによるとデルタ航空は米国のレガシーキャリアーの中で一番荷物の紛失率が低いのだそうだ。そのうえ今年の冬からは米国航空会社では始めてラジオ周波を利用した荷物のトラッキング方法を導入するということで、個人の端末アプリで荷物をトラッキングすることが可能になる。さらに、この成田乗り継ぎ関空行きについては、デルタが専用機を飛ばしていることもあって、荷物の心配もなく、よほどのことがない限り乗り遅れることもなく、便利さと安心を実感できた旅だった。

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取材・文・写真:越宮照代