アニマルシェルターボランティア/フォスターのすすめ
恵子・スワンバーグさんに聞く
それまでペットを飼ったこともなかった恵子・スワンバーグさんは、ある時ドッグパークで遊んでいる犬たちを見て「楽しそうだな」と思ったことがきっかけで、気軽な気持ちでアニマルシェルターでボランティアを始めた。以来ボランティアライフ15年のベテランで、会社員の仕事のかたわら、現在はシアトル・ヒューメイン(Seattle Humane)を主に、ACCA(Another Chance Cat Adoption)やMeow等、いくつかのシェルターやレスキュー団体でボランティア中だ。
動物を預かるフォスター(里親)の初体験はボランティアを始めて間もない頃、生後2週間の子猫4匹がシェルターに持ち込まれ、成り行きで預かることになった時のことだ。猫を飼ったことも、まして子猫を育てたことなどない。それがいきなり4匹の乳児! 他のボランティアからアドバイスをもらいながら、アダプションに出されるまで育てた。「猫はこれまでに少なくとも100匹はフォスターしていますね。犬は猫よりも圧倒的にフォスターされやすいので、中・大型犬を10匹くらいです」。3番目に預かった犬「アキラ」はそのままスワンバーグ家の愛犬となっている。
「今飼っている15歳の猫2匹は、ボランティアを始めて間もない頃にアダプトした猫です」。当初はシェルターのこともボランティアのこともまったく知識ゼロ。ボランティア経験を通して動物の育て方などたくさん学んだ。「子猫や子犬は里親も多いしアダプトもされやすいので、今ではアダルト、シニアの犬や猫を預かるようにしています」。フォスターのメリットは、家で過ごすことによって動物本来の性格が現れることだ。「シェルターではシャイで、隅っこに隠れていたような猫が、家ではのびのびとして、とても明るいことがわかったりします。うちには猫も犬もいるので他の犬や猫とうまくやっていけるかどうかもわかるし、そうしたことを記録するとペットを探している人たちにとって参考になるんです」。その記録が役立って預かっていた猫や犬に新しい家庭が見つかることほど嬉しいことはないと恵子さんは言う。
シニアの動物の場合、預かっているうちに病気がわかって、そのままホスピスをしたこともたくさんあるそうだ。「現在も1匹ホスピスしています」。最後まで面倒を見るのが同シェルターのいわゆるノーキル(殺さない)理念で、もう治らない病気だとわかった場合は同意を得た里親がホスピスをすることになる。「看取るのはとても悲しいけれど、でもシェルターの檻の中ではなく、最期は家の中で過ごせたというのは何よりもよかったなあと思います」
ACCA (Another Chance Cat Adoption): www.anotherchancecatadoption.org
日本語での問合せ:minkikki@gmail.com