シアトル地域レドモンドを拠点に活躍するプライベート・トレーナーの島田耕太さんが、自宅でできるトレーニング法を解説します。
美ボディーをつくるトレーニング
ヒップアップは骨盤から
ヒップアップはきれいな姿勢を保つためにも重要です。日頃座ることが多いという方は、どうしてもお尻が垂れる傾向にあります。デスクワークなどで座ることは避けられなくても、ちょっとしたエクササイズでの気遣いで美しいヒップラインを作ることは可能です。ヒップアップは男女共に大切。見た目もさることながら腰痛緩和にも効果的なので、ぜひ実践してみましょう。 そもそも、座りっ放しだとお尻が垂れやすいのはどうしてでしょう。お尻の筋肉が垂れ下がる現象を「お尻が垂れる」と表現するなら、主な原因として考えられるのは、骨盤が前傾姿勢になることです。座り作業が長く続くと腸腰筋と太ももの筋肉が硬くなり、骨盤が前に傾いた状態が固定されます。すると、エクササイズをしてもお尻の筋肉の下部しか使えないことになり、ヒップアップの要となる上部に働きかけることができません。また、腰への負担も増えて腰痛を引き起こし、エクササイズをしているのに腰痛が改善できないという悪循環に陥ります。
エクササイズの選択にも注意点があります。座る姿勢のエクササイズが中心ではヒップアップ効果があまり望めません。たとえば、自転車型のフィットネス、座って行う筋トレマシンが挙げられます。もちろん、避ける必要はないのですが、エクササイズの8割を座らないものに置き換えると骨盤を修正しやすくなります。有酸素運動ならウォーキング、筋トレならスクワットや腕立て伏せなどが良いでしょう。
ヒップアップのためのエクササイズは、ヒップブリッジ、デッドリフト、ランジなどいろいろあります。ヒップアップにより効果的で理想の結果を得られるエクササイズを右に紹介していますので、いつものエクササイズ前にアップ感覚で行ってみてください。特にエクササイズをしていない方は、ウォーキング前や座り作業後に試してみることをおすすめします。
今回のエクササイズでは、お尻の筋肉を最大限に使えるように骨盤の前傾姿勢を修正します。前述の通り、骨盤の前傾姿勢は腸腰筋と大ももの筋肉が硬くなることが主な原因です。最初のふたつのエクササイズでは、それらの筋肉を動かしながら伸ばしていきます。そして、3つ目のエクササイズで骨盤を固定しながらお尻の筋肉を刺激します。骨盤の前傾姿勢を改めることで、腰に負担をかけることなく、ヒップアップ効果も向上できるでしょう。
今月のトレーニング
STEP 1
スクーピング
15回を3セット
写真のように仰向けになり膝を曲げます。この姿勢から骨盤を傾けて腰を床に密着させます。この動作をヨガやピラティスではスクーピングと言い、下腹部の筋肉を活性化させるために行います。スクーピングを繰り返すと腸腰筋や大ももの筋肉が動くので、骨盤のリセットにもなります。最初のうちは練習感覚で続け、徐々に慣れていきましょう。
STEP 2
スプリット・ランジ
左右各10回を3セット
本来は足を強化するエクササイズですが、今回は股関節の可動範囲を意識して行います。足を前後に開き、前脚は若干膝を曲げ、後ろ脚は膝を伸ばします。最初のうちはバランスが取りづらいので、テーブルや壁などに手をついて構いません。この状態から前脚の膝をさらに曲げて上半身を前に動かし、元に戻す動作を繰り返します。上体が前に倒れないように姿勢を保つこと、後ろ脚は真っすぐであることがポイントです。10回行ったら左右の脚を入れ替えましょう。
STEP 3
ヒップブリッジ(固定)
30~60秒を3セット
ステップ1のスクーピングの状態からヒップブリッジを行ってみましょう。仰向けの状態で膝を曲げ、骨盤を傾けて腰を床に密着させてから、脚とお尻の力で腰を持ち上げていきます。いちばん高い位置で30秒から60秒、その姿勢を維持します。脚の力のみでは腰に負担がかかるので、お尻の筋肉にしっかりと力を入れましょう。
※健康上の不安がある場合は、必ず医師に相談のうえ行うようにしてください。
※同記事は、インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、フィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う島田耕太さんが、資料や経験を元に執筆したものです。
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