今や誰もが知る「SDGs(持続可能な開発目標)」。この目標の達成を目指して経営する企業が、世界にはたくさんあります。もしかしたら、あなたが実践者になる日が来るかも? 意外と知られていない、身近にあるSDGs経営を紹介します。
あなたの「おにぎり」が世界を救う
おにぎりアクションは、2015年に特定非営利活動法人TABLE FOR TWO(TFT)が開始したキャンペーンです。おにぎりを通じて世界の飢餓問題の解決に貢献できるこの取り組みは、日本のみならず世界中で多くの人々に支持されています。これまでに66か国以上からの参加があり、1160万食を超える学校給食が届けられました。
おにぎりアクションの背景と理念
おにぎりアクションは、「世界の食の不均衡を解消する」というTFTのミッションのもと、気軽に参加できるアクションとして生まれました。先進国では栄養過多が問題となる一方で、開発途上国では十分な栄養が行き渡らない現実があります。この2つの課題を、みんなの「おにぎり」でつないで解決しようというアイディアです。
参加方法はとてもシンプル。毎年10月16日の「世界食料デー」に合わせて実施されるキャンペーンに、おにぎりの写真を特設サイトや指定のSNSにハッシュタグ「#OnigiriAction」を付けて投稿すると、協賛企業によって1投稿につき5食分の給食がTFTを通じて開発途上国の子どもたちに届けられる仕組みになっています。投稿が増えれば増えるほど、支援の輪が広がります。紙や布で作った創作おにぎりもOKなので、誰でも気軽に参加できるのも魅力です。
2024年にはおにぎりアクション10回目を記念して、アメリカ各地でもさまざまなイベントが行われました。サンディエゴでは「オタク・スマッシュ・フェスト」、ワシントンD.C.では「MLK・ライブラリー・ワークショップ」など、地元の特色を生かした催しが開催されました。アメリカ全土10都市で実施された「ザ・おにぎりカップ2024」では、人気のおにぎりの具材を投票で決める企画も登場し、話題を呼びました。
心もおなかもいっぱいで賞supportedbyセイコーエプソンせなママさん
スポンサー企業へのメリット
おにぎりアクションには、日産セレナやセイコーエプソン、オイシックスやニッスイ、またJFCインターナショナルインク、象印アメリカコーポレーション、MUFGユニオン・バンクといった企業がスポンサーとして名を連ねています。これらの企業は寄付を通じて活動を支えるだけでなく、イベントへの協力や広報活動にも積極的に参加しています。
みんなで力を合わせたで賞神戸市立科学技術高校「私達の体はおにぎりでできてます!」さん
キャンペーンを立ち上げる際には、明確な目標を設定したり、参加しやすい仕組みを考えたり、協賛企業との協力体制を整えたりといった工夫や効果的なPR戦略も欠かせません。さらに成果をきちんと報告し透明性を確保することで、支援する側からの信頼が生まれ、より多くの人々に取り組みを届けることができます。企業にとっては、社会貢献という形でブランドの信頼を高めると同時に、ブランドイメージの向上や商品のプロモーション、そして消費者との距離を縮める絶好の機会にもなっています。おにぎりアクションは、社会課題の解決を進めながら企業の持続可能な成長も後押しする、理想的なモデルといえるでしょう。
子どもおにぎり賞supportedbyニッスイすあさん
このキャンペーンは、ひとりひとりの小さな行動が連鎖して企業と個人の協力を生み出すことで、社会全体に大きな変化をもたらすことを教えてくれます。あなたの決断と行動が、より持続可能で豊かな未来を育み、次世代への大きな力になります。
社会を一歩前進させるのは、SDGs経営に取り組む企業のちょっとした工夫を知った、あなたの一歩です。
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