YouTubeで大人気 動画クリエイター バイリンガールちかさん講演会

5月31日ベルビュー・チルドレンズ・アカデミーで、Seattle IT Japaese Professiona（l 以下、SIJP）主催、動画クリエイター吉田ちかさんの講演会「新しいことに挑め！バイリンガールとして生きる」が行われた。

憧れのバイリンガールを今か今かと待ちわびている100名以上の参加者の前に登場したちかさんは開口一番「みなさん、テンションあんまり高くない……。やりにくいですよ、こっちが（笑）」と笑いを誘い、会場の雰囲気を一気になごませた。講演会はSIJPスタッフがインタビューをする形で行われた。

 

英語教育と日本語の両立についてどう考えますか

言語はあくまでもツールなので、できて損はありません。日本語、英語を幼いころから両立させるには、英語を好きになるように教えないと上達は難しいと思います。英語を使って何ができるのか、何のためにやっているのかがわかるように、楽しく教えることですね。

これまで作った動画で一番好きなのは？

常に前回よりいい動画を作るように心がけているので、一番好きなのはどれと言えないけれど、ジャスティン・ビーバーの動画なんかは結構イケてたのではないかな。全然似ていないけど面白かったという視聴者からのコメントがありました（笑）。毎回の反響を確認して、次回の作品づくりの参考にしています。今後は東京オリンピックに向けて来日した外国人と会話できるような、使える英語をどんどん配信していきたいです。新しいことに挑戦したい人には「Just Do It! 」と励ましてあげたい。小さなことでもいいので、自分のやりたいことにトライするようにしてください。

 

モチベーションはどうやって保つのですか？

仕事でやっていることなので、モチベーションは関係なく、動画をアップしなければなりません。再生回数がはっきり表示されますし、常に他の人と比較されたりもします。
動画が思ったより気に入ってもらえなかったのかなと落ち込むこともあります。でも、日曜日と水曜日に動画をアップするのは決定事項なので、気分のアップダウンとは関係なく配信します。動画配信にモチベーションはあんまり関係ないですね。それが仕事と趣味の違いでもあるのかな？

発信したい情報をどのように作るか？

自己満足ではなく、視聴者の反応をインプットしてよりよいものを作っていくことが重要です。例えば、流行っているものを取り入れるのはいい方法です。『アナと雪の女王（英題『FROZEN』）』の『Let it go』を歌った動画は、あんなに音痴だったのに（笑）、100万回以上再生されました。完全にトレンドに乗った結果です。
情報の発信の仕方については、よく、Facebookとツイッターを全部連動させて同じ内容をアップしている企業がありますが、それはあまり意味がないと思います。それぞれのSNSを何の目的で使っているのかを意識した方がいいです。私の場合、Twitterなどは、ちか友（視聴者）と交流するために使っていて、インスタグラムは旅行の写真をアップ、Facebookはお知らせ系を配信するように使い分けています。

自分の子どもがYouTuberになりたいと言ったら？

私だったら「いいんじゃない？」と言うと思います。プライバシーの問題など、課題はありますが、どのようなコンテンツを配信するかによって危機管理の仕方も変わってくる。私は英語を教えるという動画を配信していて、視聴者がきちんとしている方が多いためか、今まで怖い目にあったことはありません。どういう視聴者を集めるかはコントロールできるので、親としてはそうしたアドバイスをしたらいいのではないでしょうか？

おさるさんに聞く「ちかさんの好きなところは？」

後ろから様子を見守っていた「おさるさん」ことちかさんのだんなさんは、ちかさんの好きなところについて「一つに絞ることは難しいけれども、何事にも120%で取り組むところ。仕事に対してはもちろんですが、プライベートに対しても、そして家事や両親への対応など、いつも一生懸命にやってくれるところです」と新婚さんらしく、手放しで誉めていた。

気さくにファンサービス

講演会後には、ちか友と集合写真をとり、嬉々としているファンに対して気さくに接していたちかさん。「YouTuberは芸能人ではないので、視聴者との距離感が近いのが楽しい」と言う。彼女の気取らない性格と、視聴者をとても大切にしている姿勢があるからこそ、人気が爆発したのではないだろうか。

取材・文 山添 史