取材・文:本田絢乃
2020年3月、惜しまれつつもNYブロードウェイでの上演を終えた「ミーン・ガールズ」が北米ツアーを開催。11月16日から21日までのシアトル公演でオープニング・ナイトを鑑賞しました。
今年から始まった筆者のアメリカ生活でいちばん楽しみにしていたのが、本場ブロードウェイ・ミュージカルを観ること。その夢が早速、シアトルのパラマウント・シアターでかなった。言わずと知れたリンジー・ローハン主演、ガールズ青春映画「ミーン・ガールズ」(2004年)のミュージカル版。映画の脚本を手掛けたティナ・フェイ氏が総指揮を執る。
物語は、アフリカで育った主人公のケイディがアメリカの高校に編入し、学校の人気女子3人組「プラスチックス」のメンバーと出会い、いざこざに巻き込まれていくというもの。
オリジナル・ストーリーを踏襲しながらも、映画公開当時はそこまで普及していなかったSNSなど現代の若者文化をうまく取り入れ、思春期特有の心の葛藤や交友関係をコメディータッチで描く。
映画の主要人物はほとんどが白人だったと記憶しているが、ミュージカル版キャストの人種の多様性にまず驚いた。プラスチックスのひとり、グレッチェン役には、日本人の母親を持つメーガン・マサコ・ハーレ—さんが配役。ソロでの見せ場も多く、会場を沸かせた。
そのほか、舞台演出の大きな特徴に、LEDパネルを使った場面転換がある。アフリカ・サバンナの風景から始まり、学校の教室、SNSで情報が拡散されていく演出など、スピード感ある展開は圧巻だった。終盤には生徒たちによるラップソングやタップダンスの披露があり、会場の熱気と盛り上がりも最高潮に。上演時間の半分以上笑いが絶えない、ハッピーでエネルギッシュな舞台となった。