シアトル市警（以下、SPD）はLGBTの人権保護活動への取り組みで全米でも知られている。SPDで初めてトランスジェンダーであることを公表した警察官が所属する。SPDの東地区を担当するTori Newburn警官だ。「どのタイミングで同僚にカミングアウトするかとても悩んだ」と彼は言う。「自分が言わなければ一見トランスジェンダーかどうか人には分からないからね」
32歳のNewburn警官は南カリフォルニアで育ち、両親のサポートのもと10年前から性別移行を始めた。「自分の告白に泣くどころか喜んでくれる両親には感謝してもしつくせない」と笑顔で語る。
昨春、SPDがトランスジェンダーに関する研修を行ったとき、彼は自分がトランスジェンダーであることを上層部に伝えることに決めた。「誰も体裁の良いことだけを言わず、むしろ励ましてくれ、告白したことを讃えてくれた」とNewburn警官。彼の所属する部署は、”Safe Place”と呼ばれるLGBTに関する犯罪やいじめを防ぐ取り組みをしていることもその一因だ。
同じくSPDで30年以上勤務するJim Ritter警官はゲイであることを公表しており、自身の経験から「トランスジェンダーに関する人々の誤解を解消していく」と語る。Newburn警官は、同じ立場の先人のおかげで今の自分があると言う。
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