パシフィック・ノースウエスト・バレエ(以下PNB)はパンデミックにより劇場公演を中止していましたが、約1年半ぶりに再開。9月24日から26日まで上演されたオープニング・パフォーマンス「シンギュラリー・セルド」を鑑賞しました!
取材・文:本田絢乃
バレエファン待望のカムバック公演は、2020年秋シーズンからPNBの専属振付師を務めるアレハンドロ・セルドさんによる代表作から3作品が選ばれた。
まずオープニングを飾ったのは、「サイレント・ゴースト」だ。男女10名が4つの楽曲に合わせ、流れるように踊る。途中音楽が止まり、ダンサーたちの息づかいだけが聞こえるという演出がとても印象的だった。
続いての演目「ワン・サウザンド・ピース」は、シカゴ美術館所蔵のマルク・シャガールのステンドグラス作品「アメリカの窓」からインスピレーションを得たもの。本来は3場面で構成される大作だが、その中から1シーンが抜粋されている。天井からシャワーミストが降り注ぐ中で踊るダンサーの姿は幻想的で、それはそれは美しかった。
そして最後は「リトル・モータル・ジャンプ」がラインナップ。前の2作品と比べ、コミカルで展開が早いのが特徴だ。さながら歌のないミュージカルといった感じで、会場からは笑い声が上がることも。
ストーリー性のある古典作品と違い、抽象的で難しいと思われがちなコンテンポラリー作品だが、頭で考える必要はない。ただただ、目の前の芸術に浸ってみてはいかがだろうか。劇場公演を見逃した方、もう一度見たい方は、オンライン・ストリーミングで視聴できるので、ぜひアクセスを。
オンライン・ストリーミング
Pacific Northwest Ballet Singularly Cerrudo – Digital
日程:開催中〜10月11日(月)
料金:$35 ※購入は最終日7pmまで
問い合わせ:☎206-441-9411
詳細:https://order.pnb.org/22-digital/cerrudo