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第49回シアトル国際映画祭(SIFF)

今年もシアトル国際映画祭(SIFF)が開催。5月11日(木)から5月21日(日)まで、74カ国から264本もの作品が上映されます。今回はなんと半数以上が女性監督作品。さらに、監督として1、2本目の作品が7割近くを占めるなど、これからの映画界を担う才能ある監督たちの登場に期待大! 日本からの参加作品と共に、ソイソース編集部の注目作品を一挙ご紹介します。

上映館

①SIFF Cinema Uptown 511 Queen Anne Ave. N., Seattle, WA 98109
②SIFF Film Center 305 Harrison St., Seattle, WA 98109
③SIFF Cinema Egyptian 805 E. Pine St., Seattle, WA 98122
④AMC Pacific Place 11600 Pine St., #400, Seattle, WA 98101
⑤Paramount Theatre 911 Pine St., Seattle, WA 98101
⑥Shoreline Community College Theater 16101 Greenwood Ave. N.,
Shoreline, WA 98133
⑦Ark Lodge Cinemas 4816 Rainier Ave. S., Seattle, WA 98118

※上映する作品、日程、場所などは変更される場合があります。必ず事前に最新情報をウェブサイトでご確認ください。

オープニング作品

■Past Lives
監督:セリーン・ソング(アメリカ/2023)

韓国系カナダ人の女性監督、セリーン・ソングによる国境をまたいだ三角関係のラブストーリー。主人公のノラ(グレタ・リー)は12歳で韓国ソウルからカナダに移住したが、幼なじみのヘソン(テオ・ユー)が忘れられない。36歳になった彼らはアメリカで感動の再会を果たすが、すでにノラはアメリカ人のアーサー(ジョン・マガロ)と結婚していた。ふたりの運命はいかに……?

オープニング・ナイト・ガラ
5月11日(木)7pm ⑤
パーティー:9:30pm ⑤
料金:一般$85

クロージング作品

I Like Movies
監督:チャンドラー・レバック(カナダ/2022)

昨年のクロージング・ナイト・ガラの様子
©︎Amy Kowalenko

17歳の主人公、ローレンス(イサイア・レティネン)は大の映画好き。映画監督になる夢を追いかけ、高校卒業後すぐにニューヨークに出るも、仕事はレンタルビデオ店の店員どまり。厳しい現実に悩みながらも、なんとか映画への情熱を自分のキャリアに生かせるよう試行錯誤する日々だった。ローレンスの夢がかなう日は来るのだろうか?

クロージング・ナイト・ガラ
5月21日(日)5pm ③
パーティー:Museum of History and Industry (MOHAI)
860 Terry Ave. N., Seattle, WA 98109
料金:一般$85

日本映画

Plan 75(プラン 75)
監督:早川千絵(日本/2022)

少子高齢化がいっそう進んだ近い将来の日本で、次世代のために国会で可決・施行されたのは、満75歳から安楽死の選択権を与える「プラン75」。世間は受け入れムード一色だが、生死を決断する当事者たちの心境は? 2022年の第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール特別賞を受賞。

5月14日(日)8pm ⑦
5月19日(日)1pm ①
ストリーミング✅


Seven Samurai(七人の侍)
監督:黒澤 明(日本/1954)

言わずと知れた日本映画の代表作は、昨年11月に亡くなったSIFFのプログラマー、ルース・ヘイラーさんがこよなく愛した作品。映画が大好きだったルースさんを追悼し、彼女の遺志を後世に引き継ぐべく、今回の上映リストに加えられた。

5月13日(土)2:15pm ③


Lonely Castle in the Mirror(かがみの孤城)
監督:原 恵一(日本/2022)

2018年に本屋大賞を史上最多得票で受賞するなど、一世を風靡した辻村深月のベストセラー小説『かがみの孤城』を劇場アニメ化。学校での居場所をなくした中学生の主人公、こころが、部屋の鏡に吸い込まれ別世界に入り、仲間と共にクエストに挑む。若者の共感を呼ぶこと間違いなし!

5月14日(日)4pm ⑥
5月19日(金)3:30pm ③

注目のアジア作品

Next Sohee
監督:ジュリー・ジャン(韓国/2022)

実話を基にした、ジュリー・ジャン監督による第2作。高校生の主人公、ソヒー(キム・シウン)が職業訓練で訪れたコールセンターは、労働環境が劣悪の職場だった。給料の後払いなどを盾に、本採用へと囲い込んでいく会社に対し、ソヒーはどう立ち回るのか。後半では韓国社会の闇が暴かれていく。

5月16日(火)8pm ⑥
5月17日(水)12:45pm ④


Against the Tide
監督:サーブニック・カウア(インド/2023)

2023年のサンダンス映画祭で特別賞を獲得した注目作品。海沿いの町で、漁師として働く父親ふたりの対比を描く。ひとりは留学経験を持ち、最先端の装備で漁に向かうが、もうひとりは貧困のために小さな手作りボートで潮の満ち引きに頼る漁を続けていた。状況は異なる両者が同じ悩みを抱え、家族を養うために一生懸命働く姿が心を打つ。

5月15日(月)8pm ⑦
5月17日(水)12:30pm ①

注目の北米作品

To Kill a Tiger
監督:ニシャ・パフジャ(カナダ/2022)

インドの田舎で農家として貧しく暮らすランジット。ある日、13歳の娘を連れて親戚の結婚式に参列するが、娘が集団レイプ被害に遭う。家族は恥さらしと批判され、味方もサポートも得られない。父親は娘に何をしてあげられるのか? 女性差別が根強く残るインドの現状について考えさせられる。

5月13日(土)1pm ⑦
5月14日(日)4:45pm ②
ストリーミング✅


Monica
監督:アンドレア・パラオロ(アメリカ/2022)

主人公のモニカは10代で親元を離れたが、母親の介護のため、久しぶりに家族と再会する。モニカは過去の傷や嫌な思い出が鮮烈に残る中、介護を通じて家族と向き合うことに。子ども、親、それぞれの立場から、再び家族の絆を取り戻すまでの心の動きを描き出す良作。

5月14日(日)8pm ①
5月15日(月)3pm ①

注目のヨーロッパ作品

Opponent
監督:ミラド・アラミ(スウェーデン/2023)

イマン(ペイマン・マアディ)と妻、ふたりの子どもは、イランからスウェーデンに逃れてきた難民待機者。申請が受理されるよう、弁護士から提案されたのが、レスリングだった。元イラン代表のオリンピアンであるイマンは、スウェーデン代表選手になるべく練習を始める。難民申請は無事通るのか?

5月12日(金)5pm ①
5月13日(土)12pm ①


A Room of My Own
監督:イオセブ・ブリアゼ(ジョージア/2022)

田舎で暮らすティナ(タキ・マムラゼ)には、お金も仕事も家族もなかった。家賃の安いアパートを見つけて都会暮らしを始めるが、癖の強いルームメートのメギ(マリアム・クナゼ)とドラッグやアルコールに溺れる日々を過ごす。やがて友情が芽生え、支え合うふたりの変化に目が離せない。

5月16日(火)3:30pm ⑦
5月20日(土)9:30pm ④


Dancing Queen
監督:オーロラ・ゴッセ(ノルウェー/2023)

主人公は12歳のぽっちゃり少女、ミナ(リブ・ラーソン)。スポーツとは縁のない学校生活を過ごしてきたが、イケメン転入生のヒップホップダンサー、エドウィンとの出会いを機にダンスチームに入ることに。必死で努力するミナは、幸せをつかめるだろうか?

5月16日(火)6:30pm ①
5月17日(水)3:30pm ①

注目のアフリカ作品

The Blue Caftan
監督:マリャム・トウザニ(モロッコ/2022)

ハリム(サレー・バクリ)と妻のミナ(ラブナ・アザバル)は手織りカフタンの店を営んでいる。大量生産の波に押されながらも、歴史ある手織りはまだまだ需要が高く、夫婦は生産スピードを上げるために見習いとしてヨセフを雇う。古き良き伝統を残そうと奮闘する3人の姿に勇気付けられる。

5月16日(火)5:30pm ①
5月17日(水)3:45pm ④
ストリーミング✅

先住民族をテーマとした注目作品

We Are Still Here
監督:ベック・コール(オーストラリア/2022)

植民地主義がその土地の先住民に与え続ける影響を、過去・現在・未来という異なる時間軸から考察する。先住民としてのアイデンティティー、苦しみあふれる過去、現在のモチベーション、未来に向けての希望・不安など、負の歴史と根深い人種問題に切り込む意欲作。

5月19日(金)5:30pm ①
5月21日(日)10:30am ①
ストリーミング✅

親子向けにおすすめの作品

Ernest & Celestine: A Trip to Gibberitia
監督:ジーンクリストフ・ロジャー、ジュリエン・チェン(フランス/2022)

2014年にはアカデミー賞にもノミネートされた「くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ」でおなじみのキャラクター、熊のアーネストとネズミのセレスティーヌが劇場に戻って来た! 今回、彼らが旅するのは、アーネストの故郷であるジベリティア。音楽とアートにあふれるこの街で、楽しい時間を共に過ごす。親子で笑って観るのにおすすめのコメディー作品。

5月13日(土)1:30pm ⑥
5月20日(土)11am ③

スケジュール

上記作品以外の上映スケジュールは、ウェブサイト(www.siff.net)もしくはボックス・オフィスで確認を。また、5月22日(月)から28日(日)までの1週間は、一部の作品がストリーミング配信される(www.siff.net/feststream)。

チケット価格

一般$15。平日マチネ割引・学生割引・シニア割引・SIFFメンバー割引や、数回分がセットになったお得なパスもある。詳細はウェブサイト参照。各種特別イベントは別料金。ストリーミングの価格も同じく作品ごとに$15。購入はオンラインから。

購入方法

チケットはオンライン、ボックス・オフィス、アプリで購入可。ウェブサイトで購入の場合は自宅でチケットを印刷してから当日引換所へ。アプリの場合はアカウントを作成してチケットを購入し、スマートフォンの画面をスタッフに見せれば入場可。上映10分前からは席が保証されないので、時間に余裕を持って行くべし!
●オンライン購入:www.siff.net
●現地購入:各上映館にて購入可※各上映館のボックス・オフィスは、最初の上映の1時間前からオープン。