マリファナって何?
マリファナはカナビスと呼ばれる植物(大麻)を乾燥させたもの。カナビスは、熱帯地域や温暖な気候の地域など、世界のほぼあらゆる環境で自生している。野生のものだけでなく室内での水栽技術を用いても収穫は可能。
カナビスが本来の効果を発揮するのは、「デルタ9テトラヒドロカナビノール(THC)」と呼ばれる成分で、このTHCに人間の気分を高揚させる作用がある。ただし種類によって、高揚作用の効き目にはばらつきがある。
カナビスの用途はマリファナ、ハシッシ、ハッシュオイルの3つ。マリファナは紙で巻いてタバコのようにして吸ったり、水パイプを通して吸ったり、あるいはクッキーやブラウニーなどの食品に混ぜて使用される。
ハシッシはカナビスの樹脂からなり、乾燥させて小さいブロック状に押し潰したものを、マリファナと同じように吸ったり食べ物に加えたりして使う。ハッシュオイルは、ハシッシから抽出された濃厚なオイルを指し、最も高揚効果がある。
医療用マリファナ
マリファナには鎮痛作用や食欲増進などの医学的な効能があるため、医療の場でも使用されている。現在ワシンントン州を含む全米23州のほか、ドイツ、オランダ、フランス、イタリア、イギリス等で、代替治療薬としての使用が認められている。
嗜好マリファナと医療マリファナは同じ天然のハーブで植物としての相違はないが、使途目的が異なるために栽培法や取り扱い方法が違う。最も大きな違いは、品質の安定性と、体力が低下している患者に処方できるよう、カビや細菌等に対する衛生管理が徹底されていることだ。
医療用マリファナが認められている州や国では、腰痛や慢性痛の鎮静、末期エイズ患者の症状軽減、ガンの化学療法に伴う吐き気の緩和などのために処方されている。 特に「神経障害性疼痛」等モルヒネを用いてもほとんど効果がない難治性の痛みに対し、マリファナは鎮痛効果があるとされている。
医療用マリファナのほとんどは、量が正確に調節できることと即効性が期待できることから、嗜好用と同様にパイプに詰めたり巻き煙草にして喫煙するのが一般的。呼吸器官に優しい方法としては、バポライザーという器具で成分を蒸発させて蒸気と一緒に吸入する方法がある。
なぜマリファナを使うの?
人々が娯楽用にマリファナを使用する理由として挙げられるのは、リラックスして幸せな気分に浸りたい、つまり「ハイな(高揚した)」状態を経験したいという欲求から。カナビスは人の気分を変え、物事に対する考え方、感覚にも影響をおよぼす。以下は、マリファナを使用した後で起こる短期的な症状の一般的な例。
⁃ 幸福な気分になる
⁃ 饒舌になる
⁃ 眠気
⁃ やっていることの歯止めがきかなくなる
⁃ 憎しみが薄れる
⁃ 食欲増進
⁃ 協調性の欠落
⁃ 目の充血
⁃ 目、口、喉の渇き
⁃ 不安や妄想
マリファナの健康に対する影響
マリファナの健康に対する影響に関しては専門家の間でも諸説分かれていて、マリファナを吸うことでガンが治るとする研究者もいれば、反対にガンが悪化するという研究者、何も起こらないと主張する研究者もいるのが現状。ただし、煙を吸うことで心肺機能に悪影響があるのは確実。
どうしていつも品不足なの?
現在ワシントン州で問題となっているのがマリファナの在庫不足と価格高騰。許可された検査施設が2カ所しかない上、ライセンスを得ている79の生産業者のうち、検査施設にサンプルを送った業者はごく一部で、生産できる量が限られているため、慢性的な品不足を起こしている。加えて高額の税金が課されるため、1gあたりの価格が25ドルと、路上での違法取引よりも割高。路上での取引の相場は10ドルから15ドル程度といわれ、マリファナの不正取引撲滅には価格を下げる必要があるという声があがっている。