新年は習いごとや体にいいことを始めたい、と思っている人も多いのでは。今回は、屋内ロッククライミングのボルダリング、北欧スタイルの織物、体さえあればどこでもできるボイスレッスン、心身の健康を維持するヨガに、ソイソーススタッフが初挑戦してみました。
取材・文：越宮照代、中野智絵、石橋迪与 写真：越宮照代、山﨑悠
シアトル・ボルダリングプロジェクト
世界で2番目に大きなボルダリングスタジオ
シアトルのチャイナタウンから車で約5分、I-5のすぐ近くにあるシアトル・ボルダリングプロジェクト（Seattle Bouldering Project）は、なんと世界に2番目に大きいボルダリングスタジオを持つ。
施設内にはまず、1階の大半を占める広大なスペース。ここで通常のレッスンが行われる。そして、地階にはウォームアップや体づくり用のスペース、週末に約100人もの子どもたちで賑わうという少し小さいスペースと、異なるレベルに合わせた3つのクライミングルームがある。この他にも、いわゆるフィットネス用の部屋などもあるのでその広さは大変なものだ。
ボルダリングというと日本では特に女性に人気が高いらしいが、ここシアトルでもスタジオ内には男性よりも女性の方が多く見られた。私が参加したクラスは、いつもは10人の定員いっぱいということだが、ちょうどホリデー休暇中だったせいか、わずか3人。それも全員女性だった。
問題を解く楽しみ
この日のインストラクターは、マット・ジャクソンさん。ロッククライミング歴約24 年に加えてスキーも昔からやっており、現在はインストラクターの他に、登山とスキーのガイドが本業。子どものころからスイス、アルプスの山々を登っていたそうで、根っからの山男という印象を受けた。マットさんによると、ボルダリングの魅力は、「どうすれば登りやすいのか。最善の方法を工夫して見つけ出すことで、その過程が楽しいんです」。そのためには頭を使うことになり、体だけではなく、頭の運動にもなるスポーツなのだ。
最初は落ち方から学ぶ
スタジオには部屋全体に巨大な壁がいくつかあり、それぞれの壁面に様々な形や大きさの岩が取り付けられている。岩に塗られた色で難易度が区別されていて、基本的には同じ色の岩をつたって頂上を目指す。初心者は、黄色の岩から始めるのがよいそうだ。
まず最初に教えられたのは、登り方ではなくて落ち方だった。とにかくケガをしないことが大事だからだ。頂上付近まで登ったあとに力尽きて落ちてしまうケースもあるが、そんな時は壁から遠く離れた場所に落ちることになるので、下に人がいないか確認することが必須。自分が下にいる場合も、近くの壁に登っている人がいないか、常に注意を払うこと。そして、落ちる時には腕を体の前で組むようにすること。床はまるでトランポリンのように柔らかいので、落ち方さえ守れば怪我の心配はない。
次に、安全な降り方を教わる。方法はいくつかあるそうだが、マットさんは、下り専用のしっかりと握れるグレーの岩をつたって半分まで降りてきて、安全に床に着地する方法をすすめている。
いよいよ、クライミングに挑戦。登りはじめに使うように決められている岩があり、それに手と足をかける。壁を見上げ、「こんな高い壁を、未経験の私がいきなり登れるのだろうか」と不安が頭をもたげた。しかし、いざ登り始めるとそんなことはすっかり忘れて夢中になった。掴む岩、足の置き場所をひとつひとつ確認しながら、慎重に登り、普段使わない足の筋肉が伸びているのを感じる。小さな岩に足を乗せた時には頼りなさに少し心配になり、腕に力が入る。ただ、登っている間はひたすら壁と向き合っているため高さの実感はなく、怖いとは感じなかった。頂上に達してから見下ろして初めて、ここまで登ったのかと気づくが、その時には怖さよりも達成感に満たされ、新しい壁に挑戦してみたくなった。
いくつかの壁を試してこの日のクラスは終わった。
山登りには体作りが大切
「ボルダリングは、スイミングに似ている。どちらも全身運動です」。確かに、壁を登っている最中は、普段使わない筋肉が気持ち良く伸びているのを感じた。
ダイエットも重要だそうで、マットさんは「ガイドという職業柄、自分の健康管理はお客さんの安全にもつながるから」と、普段は卵、魚、肉など良質のたんぱく質を意識的に取り、野菜も含めてバランスの良い食事をして、体作りに心がけているそうだ。フィットネス効果だけでなく、体全体の健康を保つうえでもボルダリングはおすすめだ。
Seattle Bouldering Project
900 poplar Pl S., Seattle
☎︎ 206-299-2300
営業時間：月～金 6am～ 11pm
ボルダリングクラス
クラス1
日時：水 6pm、土 3:30pm
料金：$16
クラス2
日時：水 7pm、土 4:30pm
料金：$40
seattleboulderingproject.com
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スウェーデン式織物
