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日系人の歴史に学ぶ アメリカの人種問題と市民運動

Hum Bows not Hot Dogsのプラカードでデモ行進する若者インターナショナルディストリクトにはホットドッグではなく肉まんを売るようなアジア系の店が必要という意味

「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」のムーブメントが全米で広がる中、アメリカ社会にある「制度的人種差別」の撤廃を求める声が高まっています。日本人にとってはなじみの薄い人種差別の問題を長年にわたって経験し、そして乗り越えてきたのが日系アメリカ人コミュニティーです。今回の特集では、アメリカ社会ならではの人種や移民の問題について前号に引き続き取り上げ、日系アメリカ人の歴史と現在に続く活動から考えていきます。

取材・文:中山 栞、神谷友里杏、菅原瑞穂、室橋美佐
協賛:北米報知財団

文献:伊藤一男『アメリカ春秋八十年』、ダグ・チン『Seattle’s International District: The Making of a Pan-Asian American Community』、各団体ウェブサイト

北米報知財団■ 501(c)(3)規定の非営利団体。教育や文化プログラムを通してシアトルの日系文化を促進、保護することをミッションとして2011年に創立。1902年に創刊した『北米時事』、また戦後に再興された『北米報知』の歴史的記事のアーカイブも行う。
Hokubei Hochi Foundation / info@hokubeihochi.org www.hokubeihochi.org

●ジャパンウィークでパネルディスカッション開催
ベルビュー・カレッジ主催の「ジャパンウィーク(日本祭り)」にて、今回の特集でインタビューに応えてもらったイレーン・イコマ・コーさんとスタンリー・シクマさんをパネラーとして招き、オンラインのパネルディスカッションを行います。
日時:9月29日(火)5pm~6:30pm
詳細:www.hokubeihochi.org/event

シアトルのアジア系アメリカ人の公民権運動について知る

アメリカで公民権運動と言えば、キング牧師の「私には夢がある(I have a dream)」演説など、黒人を中心とした活動が知られています。しかし西海岸の都市では、日系人を含むアジア系市民も、歴史の中で被ってきた制度的人種差別を終わらせようと活動してきました。ワシントン大学在学中に学生運動に参加したことをきっかけに、その後も多くのアジア系市民団体に関わるイレーン・イコマ・コーさんに話を聞きました。

キングドーム建設開始の祝賀イベントに乗り込んで、建設反対を訴える活動家たち

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シアトルのアジア系市民団体と日系人の活躍を知る

シアトル地域には、日系やアジア系の社会的地位向上を目指して設立され、現在は幅広くマイノリティーをサポートするために活動する団体が多くあります。ソイソース記者インターン生3名が、3つの団体を取材しました。

日系人の地位向上から、全てのマイノリティーのための活動へ
日系アメリカ人市民同盟シアトル支部

全米最古のアジア系アメリカ人による市民運動団体として、全米各都市で活動を続ける日系アメリカ人市民同盟(JACL)。昨年からシアトル支部代表を務めるスタンリー・シクマさんにインタビューしました。

1931年9月のJACL全米大会での記念写真。IDに今も残る建物の前で撮影されたもの

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行政へコミュニティーの声を届けるアドボカシー組織
ワシントン州アジア太平洋問題委員会

ワシントン州が運営するアジア太平洋問題委員会(CAPAA)は、アジア太平洋系州民の地位向上を目的とする州知事アドバイザリー組織。インズリー知事の任命で2018年から事務局長を務めるトシコ・グレース・ハセガワさんに、同委員会の役割や歴史背景などを詳しく説明してもらいました。

2020年大統領選挙の民主党代表候補だったエリザベス・ウォーレン上院議員のシアトル演説会場で同氏と登壇したトシコさん(写真右)

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アジア太平洋系の移民や難民をサポートする
アジアン・カウンセリング・アンド・リファーラル・サービス

アジアン・カウンセリング・アンド・リファーラル・サービス(ACRS)は、経済的または社会的に困窮するアジア太平洋系移民や難民を、彼らの母語を使い援助する非営利団体。創立当初の活動の中心だったメンタルヘルス・カウンセリングほか、フードバンクによる食糧の支給、職業訓練などの経済的自立を促すサポート、シニアケア、チャイルドケアなど、多岐にわたる人道支援も行います。2018年まで事務局長を務めたダイアン・ナラサキさんに活動内容を自身のルーツと共に紹介してもらいました。

オフィスビルの前で撮影したACRSスタッフの集合写真

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