テイラー・シェルフィッシュファーム オイスターバー Taylor Shellfish Farm Oyster Bar
カキの旬は冬だが、夏でも新鮮なカキが安心して食べられるのはノースウエストならでは。中でもカキ養殖の老舗、テイラー・シェルフィッシュファーム(以下、テイラー)が経営するオイスターバーでは、一年中ハッピーアワーにフレッシュなカキを提供している。シアトルにはキャピトルヒル、クイーンアン、パイオニアスクエアの3店を構えており、今回は高い天井が広々としたおしゃれな空間を演出しているパイオニアスクエア店を訪れた。センチュリーリンクフィールドのすぐそばなので、サッカーやアメフトのゲームの日に当たると混雑が予想される。 同店のハッピーアワーのフードメニューは、カキのハーフシェル(6個 $9、12個 $18)とスモークドオイスター・ディップ($5)と、オイスターバーらしくカキのみ。カキの値段は通常ハーフシェル1つが2~3ドルなので、1個あたり1.5ドルのハッピーアワーは断然お得。出されるカキの品種は季節によって異なるが、6月現在はシゴク種。クマモトとシゴクはどちらも小振りなため、日本人は最初戸惑うが、食べると、大振りのカキにはない繊細で濃厚なカキの味を楽しめるため、たちまちファンになる人が多い。実を言うと私もその一人。添えられたレモンを搾って身を殻から直接つるりと喉に流し込むと、口中がカキの旨味で満たされる。この日は2人で1ダースをぺろりと平らげてしまった。 スモークドオイスター・ディップは文字通り薫製のカキをマヨネーズ、パプリカ、オニオンパウダーを加えてディップにしたもので、ビールといっしょにいただきたい一品。なめらかな食感と薫製カキのスモーキーな香りとが嗅覚、味覚を刺激して食が進み、おかわりしたくなる。 これだけでは物足りないという時には、ちょっと奮発して通常メニューからダンジネスクラブ(Dungeness Crab half $25、Whole $45)を注文してみては。半分と1匹全部のどちらか選べるが、3、4人のグループなら一匹全部を頼むのがいい。カニの身の茹で加減が完璧で、殻から身がほろりと取れる。食べやすいように殻の所々に切れ目が入れてあるのも心憎い。食べ慣れた日本人でもカニは面倒だから、ましてアメリカ人にはこれくらいの心配りがないとカニは食べられないかもしれない。 この日出してもらったのは1匹全部で、カニミソが付いてきた。マヨネーズとメープロイ(スイートチリソース)であえたカニミソには特有の臭みがなく食べやすい。カニの身を浸けて食べるようにということだったが、日本人の私たちとしてはカニはそのまま、カニミソにはパンを浸して食べたい、という気持ちが強かった。残すのがもったいなくてスプーンですくって食べたが、次回はマクリナベーカリーのバゲット($2.50)を注文しよう。キャベツと酢漬けのショウガとパセリのコールスローが添えられているのでカニを食べた後の口直しにぴったり。 飲み物はピノグリス、ロゼ、スパークリングワイン(各 グラス $5/ボトル$20)、マティーニ(Martinis $7)、カクテル (House Bloody Mary $6)、ビール2種(各$4)。 Taylor Shellfish Farm Oyster Bar 410 Occidental Ave. S., Seattle ☎ 206-501-4060 tayloroysterbars.com 営業時間:月~日 11:30am ~ [ハッピーアワー] 毎日 4pm〜6pm