戦後間もなく、およそ4万人から5万人の日本人女性が、米軍男性との結婚によってアメリカに渡ったと言われています。いわゆる「戦争花嫁」と呼ばれる女性たちは、これまでどんな人生を送ってきたのでしょうか。戦後74年経った今だから明かされる貴重な体験談を紹介します。
取材・文:加藤 瞳、室橋美佐、ブルース・ラトリッジ
翻訳:宮川未葉
写真:加藤 瞳、本人提供
写真:加藤 瞳、本人提供
よく頑張ってきたよね、私たち
タコマ日本人コミュニティー教会のみなさん
箱入り娘から一転、アメリカでの波瀾万丈な人生
関根楢千代さん
シアトル日系人会の副会長を務める関根楢千代(ならちよ)さんは、ボランティア、そして大好きな庭仕事と、忙しい毎日を送っています。日本ではカトリックの学校で育った「お嬢さま」。「シスターになるよりも、この一生のほうが良かったと」話す楢千代さんの人生の軌跡を追います。
コラム「アメリカへ渡った日本人『戦争花嫁』」
1945年から1952年のサンフランシスコ講和条約発効まで、進駐軍として多くの米軍関係者が日本にやって来た。そうした米国軍人と結婚し、アメリカに渡った日本人女性、いわゆる「戦争花嫁」の平均年齢は23歳から24歳。現在の年齢で言えば、80~90代だ。戦争の記憶が色濃く残る時代、家族の反対や周囲からの偏見を乗り越えての国際結婚だった。