日本を代表する文化の一つでもある「コミック&アニメ」の祭典、サクラコンの開催が迫っています。それにちなんで、シアトル在住のカリスマ・コスプレーヤー、ジェマくまさんとコミックライター、ランバート華子さんにインタビュー。サクラコンゲスト情報、スタッフお気に入りのマンガもご紹介。
取材・文:越宮照代、瀬島咲希、山本夕紀、山添史 マンガ紹介:編集部員一同
- 【カリスマ・コスプレーヤー】ジェマくまさん
- 【イラストレーター/コミックライター】ランバート華子さん
- 私のお気に入りのマンガ
- 2016年度 SAKURA-CON情報
アニメ・コミック文化の新領域を目指す
イラストレーター/コミックライター
ランバート華子さん
イラストレーター兼コミックライターになられたいきさつを教えてください。
母が日本人なんですが、それで日本のコミックが身近にあって、11、12歳くらいの頃に読むようになったのがコミックに興味を持ち始めたきっかけですね。高橋留美子さんの『犬夜叉』や『らんま1/2』が好きで、母が持っていた『ゲゲゲの鬼太郎』も読みました(笑)。その頃からイラストを描くのは好きでしたが、まだストーリーは作っていませんでしたね。職業としてやりたい、と思い始めたのはもっと後で、5、6年ほど前からです。実はワシントントン大学での専攻は芸術史で、デッサンのクラスを一つとったくらいなんですよ。ですから絵に関しては基本的に独学です。現在コミックは手書きとデジタル両方で作っていて、これまで制作したコミックは2作品。現在3作目に取り掛かっています。
どういったものからインスピレーションを受けますか?
日本のアート作品から多くの影響を受けていますね。例えば手塚治虫のシンプルだけど強いメッセージ性のある画風は私がお手本にするスタイルのひとつです。今好きなのはヨーロッパの漫画家のジョセリン・フェントン(Josceline Fenton)、日本の漫画家では『ジョジョの奇妙な冒険』の作者、荒木飛呂彦さんです。彼の色使いや、ハイファッションからアイディアを受けているという点がおもしろいですね。私もアイディア収集として日本のファッションマガジンをよく読むんですよ。浮世絵も影響を受けた芸術作品のひとつです。あの雰囲気を表現するために、日本のコピックマーカーとウォーターカラーペーパーを使っていますが、この用紙はインクがすぐに染みこまず、アレンジがしやすいという点で重宝しています。
作品のアイディアや発想はどのようにして生まれるのですか?
たとえばマンガを読んでいて気に入った場面があれば、良いと思った点をリストアップして、自分の作品に生かせるようにしておきます。また何気なくイラストやデザインを描いてみて、キャラクターが出来上がったら、そこにどんなストーリーや情景が考えられるのか、あるいはそのストーリーを短い一文で伝えるならどんな表現になって、そこからどう発展させるのかを考えますね。ユニークなアイディアを取り入れることも他との違いを生み出す上では大切ですが、一方で馴染んだスタイルを保つことも、分かりやすいという点から大切かもしれません。「イケメンと美女」みたいな(笑)。まず作品を通して自分を知ってもらい、次の段階で自分のオリジナル要素を見せる、という流れですかね。
コミックの魅力は?
小さい頃は日本語が上手く読めなかったので、内容ではなく絵でストーリーを読んでいたんです。でも不思議と内容が読み取れて、マンガは文字以上に物語を伝えてくれる新たな方法の様に感じましたね。それと私は、文章を書くのは好きなんですが、会話があまり得意ではなくて、マンガのストーリーを通してコミュニケーションをとる方法を見つけたと言ってもいいでしょうね。言葉を越えて意味を伝えることができる、これが私にとってコミックの最大の魅力です。
ゴールは何ですか?
イラストレーター、コミックライターどちらも目指したいと思っています。とにかくものを作ったり、新しいことに挑戦することが好きなんです。月に一度、フリーモントでアートギャラリーの活動もしていて、そちらの方にも力を入れたいですね。モットーは「A little bit better to be different.」です。他の誰もがしていないような新しい分野を開拓していきたいと思っています。
[Ani-Mayhem(大混乱)アートショー]
w/Hannako Lambert Presented by Tiny Dodo Gallery
ランバート・華子さんと、ノースウエスト在住アーティストをフィーチャー。
日時: 5月6日(金) 6pm~10pm
7pm からSeth Boyerによるライブ演奏。
場所: Stoneway Cafe(3510 Stone Way N, Seattle, 98103)
詳細:www.tinydodogallery.com
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