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手巻き寿司イベント

resize0453 1月24日、パイク・プレイス・マーケットで日本食文化の紹介と手巻き寿司の調理実演イベントが、農林水産省・外務省による日本食文化発信・日本産品普及セミナーの一環として開催された。キャピトルヒルにある懐石料理屋「Naka」のオーナー・シェフ 中島正太さんによる日本食に関するレクチャーの後、手巻き寿司の作り方の実演が行われ、参加者も実体験して試食するというものだ。

(取材・文:山田百合菜 写真:岩崎史香)

日本食・食文化を世界に

今回のイベントは、日本政府農林水産省・外務省が主催する「日本食・食文化の世界的普及プロジェクト」の一環。主旨は、シアトルに住んでいるアメリカ人に、日本食と食文化を広め、家庭でも楽しめる和食を紹介することだ。「イベント後に、自宅で家族や友人に、手巻き寿司を振る舞ってほしい」そんな願いも込められている。

resize0454 冒頭では「日本には和食という健康的で長い歴史を持った文化があり、多くの人に知ってもらいたい。今日は『おいしい』という言葉を覚えて帰ってほしい」と挨拶もあった。

日本食に興味がある人がこんなにも

参加者は約70名。お寿司が食べられるということで、日本人が多いかと思いきや、参加した日本人はわずか11人だった。日本人の家族や友人と一緒に来ているグループ、アメリカ人のみのグループなどいろいろ。小学生くらいの子どもが10人程と年齢の層も広い。ひとりで来ている人もちらほら見られ、中には飛び込み参加という人も。いまさらながら日本食の人気を実感した。

イベントは、中島シェフによる「和食とは何か」というレクチャーから始まった。前方のスクリーンに映し出されるスライドを見ながら、「一汁三菜」という日本独特の食スタイルの紹介、和食のきれいな盛り付けのデモンストレーションなどを学んだ。レクチャーの合間や質疑応答タイムでは、参加者から積極的に質問が上がる。


わいわい楽しく作る手巻き寿司

resize0455 レクチャーの後は、お待ちかねの手巻き寿司の実演と体験。中島シェフが教える手巻き寿司の作り方を見ながら、参加者も作ってみる。この日の具材は、キュウリ、カニ、揚げ豆腐、イクラ。日本茶やすまし汁も用意されていた。シェフの実演を見ながら「これで合ってる?」と、隣り合わせた人と話しながら、ぎこちない手つきで楽しそうに作っている。完成後はほとんどの人が、自作の手巻き寿司を片手に持ってポーズを取り、記念撮影に余念がない。中にはYouTubeへ載せるために動画を撮っている人もいた。

同イベントの広報担当の原田千穂さんは「たくさん写真を撮って、フェイスブック、インスタグラムなどSNSに載せて」と激励していた。

目から鱗~手巻き寿司のきれいな巻き方~

resize0452 小さい頃から何度も作っていた手巻き寿司なのに、意外ときれいに巻くのは難しい。コツは、食材の量と巻き方の2つ。ご飯をお手玉くらいの大きさに取り、長方形のノリの左側へ平らに置く。その上に、好みでキュウリを1切れ、カニとイクラを少々乗せる。ご飯をあまり盛りすぎないのがポイントらしい。海苔を巻くときのポイントは、折り紙で三角形を作るように、海苔の左下の角を右端上部に合わせる感じで巻くと 、アイスクリームのコーンのようなきれいな円錐形に仕上がる。

日本では手巻き寿司の作り方をわざわざ調べようとは思わなかったが、こうして、本職のシェフから教えてもらうと簡単にきれいにできるようになり、日本人の私にも楽しいイベントだった。

和食がユネスコの世界無形文化遺産に登録され、和食の認知度が高くなったこともあり、こうしたイベントを通して世界と日本の文化交流が深まることを期待したい。