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第22回 こんなとき、どうする?「親が日本へ本帰国したいと言い始めた。どうすればいいの?」〜日本の親は大丈夫? アメリカからの遠隔介護

アメリカ在住者に向けて日本の介護・お役立ち情報をお届け!

こんなとき、どうする?「親が日本へ本帰国したいと言い始めた。どうすればいいの?」

アメリカでの医療費や介護費用への不安、そして円安の影響により、日本への本帰国についてのご相談が増えてきました。40年・50年とアメリカで生活してきた人にとって「リタイア後は日本で暮らす」という決断は大きなものです。今回は本帰国に伴う住居探しについて、実際の事例を交えながら紹介します。

南カリフォルニアから本帰国された80代のA様ご夫妻

ご主人84歳、奥さま82歳のAさん夫妻。50年以上南カリフォルニアで生活し、自宅も所有していました。しかし、高齢に伴う将来への不安が募り始めたのです。「英語を話すのが億劫になってきた」「車に乗れなくなったら生活が不便になる」「もし認知症になってしまったらどうしよう」「子どもには迷惑をかけたくない」など、さまざまな懸念が浮かびました。そんな中、お子さんからご相談があり、日本への本帰国に向けた準備が始まりました。まず、どの地域に住むか、住居の形態や予算などを決めるため、事前にオンラインで何度も打ち合わせを重ねました。その後、奥さまとお子さんが日本へ一時帰国し、希望条件に合う物件を数件見学してアメリカに戻りました。帰国後もオンラインで調整を続け、現在はご夫婦で日本のサービス付き高齢者向け住宅に暮らしています。周辺にはスーパーマーケット、薬局、病院、郵便局、銀行が揃い、電車移動でどこにでも行ける環境を気に入っているようです。「日本は車がなくても電車とバスが充実しているので非常に便利です」とのことです。

日本の高齢者向け施設は全国に5万以上で種類も多様!
選ぶ時は専門家に相談を

日本に本帰国する場合、住まい探しが重要です。超高齢化社会となった日本では高齢者向け施設(いわゆる老人ホーム)が5万以上あり、種類も多様です。施設は行政関連や医療法人、民間企業など、運営母体によっても異なります。ここでは、代表的な5種の施設をご紹介します。

本の高齢者向け施設の種類

①特別養護老人ホーム(特養)
②介護老人保健施設(老健)
③グループホーム
④有料老人ホーム
⑤サービス付き高齢者向け住宅(サ付き・サ高住)

特に最近増えてきたのが、サービス付き高齢者向け住宅(サ付き・サ高住)です。これらの施設はサービス内容や利用料、契約形態も千差万別です。スタッフの人員体制や企業理念、運営母体の経営状況、スタッフの教育体制、重要事項説明書などを深く理解した上で選ぶことが大切です。入居してから、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、高齢者向け施設を選ぶ際は「これから永く住む家」として専門家に相談することを強くお勧めします。家族やご自身だけで悩まず、専門家のチカラを上手に使いながらチームを組んで前に進んでまいりましょう。
親御さんにとってもご家族にとっても最善の選択ができるように願っています。
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共催:野村不動産ソリューションズ(株)、(株)あいらいふ、(有)野口商事不動産部

文美 横畠
■一般社団法人Hearth(ハース)代表理事。国際介護アナリスト。ベネッセスタイルケアにて高齢者住宅の立ち上げや広告宣伝等に携わった後、41歳で退社し、夫婦で7カ月かけて世界各国の高齢者施設200カ所以上を訪問。これまでに取材した高齢者やその家族は2,000人を超える。「介護を通じて日本と世界を幸せに」をモットーに活動中。 サロンドハース salon_de_hearth