あなたの幸せに近づくヒント
手相、風水、占星術などをベースにライフコーチを行う植田詠子さんが、星の動きを読み解きながら、宇宙からのメッセージを毎月お届け。
「腸活」の効用
腸マッサージは心にも効く?
今、話題となっている腸活。免疫細胞の約70〜80%は腸にあり、健康を維持するうえで重要な器官のひとつだと言えます。私が腸に注目し始めたのは、10年以上前になります。内視鏡医の「難病やがんの患者で、腸がきれいだった人はひとりもいません」という発言を聞いたのがきっかけです。逆に言えば、「腸の働きを良くしてきれいに保つことで、病気予防になるのだな」と。食物繊維を含んだ食材を取り入れ、プロバイオティクスのサプリを摂取するようになりました。
そして、腸マッサージを学び始めた頃、タイの伝統古式マッサージを習得するために滞在していたチェンマイで、たまたま「チネイザン」と出合いました。チネイザンは気内臓療法とも呼ばれ、内臓をデトックスして強化するだけでなく同時に未消化の感情も解放できる、古代中国から伝わる秘術です。興味本位で熟練の先生から指導を受け、実体験を通して「これはすごい!」と感動。そのあと資格を取得し、自分でも施術するようになったのです。
初めてのチネイザン体験では、腸のあるポイントを押されるとすごく痛くて、なぜか涙が出てきました。痛みのせいだと思っていたのですが、しばらくして先生が押しながら、「助けたかったのに、助けてあげられなかった」と言うのです。何のことだろう? その言葉がなぜか自分の深いところに刺さり、涙がぽろぽろ止めどなくこぼれ落ちました。
その痛かったポイントは、「悲しみの感情を伴った罪悪感が残る場所」とのこと。自分ではピンときませんでした。あれかこれかと過去を思い返しましたが、たとえば愛犬の死は、もっとこうしてあげたかったという思いはあっても、罪悪感とは関連性がないことがわかります。やがて、ある出来事を思い出し、また涙があふれてきました。「あの子を助けてあげられなかった」と、長い間押し込めてふたをしてきた感情をついに見つけられたのです。
忘れていた悲しみに気付くことで癒される
過去のある出来事というのは、まだセラピストになる前の結婚していた頃に、元夫と東欧の某国郊外にある世界遺産を車で訪れ、隣国との国境に向かう途中で起きました。峠に差し掛かった時、4、5歳くらいの女の子が車の前に飛び出してきたのです。私の顔を必死の形相で見つめて、言葉を発しないで口をパクパク動かしていました。あどけない顔に、よく見ると真っ赤な口紅をしています。
違和感を抱きながら、女の子が飛び出してきた建物のほうに目をやると、崩れかけた白い土壁には裸体の女性が大きく描かれていました。こんな山奥に売春宿? もしかして、この子は……。女の子は私を凝視したまま、その小さな顔いっぱいに「助けて!」という表情を浮かべています。声には出さないけれど必死に訴えかけているのがわかりました。
気が付くと、初老の女性がこちらをにらんで座っています。彼女の罵声に、女の子は絶望に打ちひしがれた顔でうなずき、道を空けました。「あんな小さな女の子が売春?」と、ショックを受けている私に、元夫は車を動かしながら「うん、子どもが好きな変態野郎もいるからね」とひと言。その瞬間、「あの子を助けなきゃ!」という強い思いに駆られて、保護してもらえるように国境まで女の子を連れて行ってあげられないものかと考えました。しかし、元夫は浮かない顔で「こんな貧しい国の国境付近はマフィアが仕切っていて、どうせ国境職員も買収されているから、俺たちが誘拐犯として逮捕されるだけだよ」と一蹴。私はどうしても諦め切れず、「車のトランクか助手席に隠したら見つからないかもしれない」と、元夫に来た道を戻ってもらいました。
女の子はまだ道端に立っている気がしました。その瞬間、売春宿からの通報で逮捕される自分たちの姿が脳裏に浮かんだのです。私は急におじけづきました。言葉も通じない国で犯罪者になるのは怖い。「やっぱりいい。ごめん……」。元夫は黙ってまたハンドルを切り、国境に向かいました。その後、元夫とその出来事について話すことは1度もありませんでした。
すっかり記憶から抜け落ちていたのですが、お腹(=潜在意識)ではあの体験による悲しみや罪悪感が消えていなかったのですね。チネイザンの施術を通して、自分の感情を受け止め、大きな気付きが得られたように思います。