あなたの幸せに近づくヒント
手相、風水、占星術などをベースにライフコーチを行う植田詠子さんが、ハッピーに生きるための指針やメッセージ、スピリチュアルスポット情報などを毎月お届け。
南イギリスのレイラインを訪れるひとり旅(前編)
パワースポット、グランストンベリーに呼ばれて
人生のベストなタイミングでパワースポットに呼ばれ、自分が変わるきっかけになることがあります。私の場合、2019年の南イギリス・レイラインへの旅がそうでした。実際には10日間でしたが、2年くらい旅していたかのような感覚。それほど大きな気付きと癒しをもたらしてくれた旅だったと言えます。
レイラインとは、大地の聖なるエネルギーの通り道。エネルギーの噴出スポットが一直線につながり、古代より重要な儀式を行った祭殿、遺跡、ストーンサークル、教会などがその上に並びます。日本で新元号が発表された頃、「イギリスのレイラインに呼ばれている」と、そんな気がして航空運賃を調べると、ロンドン直行便が往復約500ドルという安さ! しかも機内はガラガラで3席を独占でき、幸せな気分でした。着いたその日にヒースロー空港から長距離バスを利用し、ローマ時代に温泉街として栄えた世界遺産都市、バースに移動。そこを拠点に、旅程の半分は憧れだったコッツウォルズ地方を周遊しました。そして電車、バスを乗り継ぎ、いよいよイギリス屈指のパワースポット、グランストンベリーへ向かいます。
この村にはピラミッド型の「グランストンベリー・トア」と呼ばれる丘があり、頂上には巡礼地のひとつで14世紀に建てられた大天使ミカエル教会が鎮座します。超常現象も報告されている「異界への入り口」として名高い神秘のパワースポット。らせん状に上昇しているとされる大地のエネルギーに沿って登ると、エネルギーとより深く共振できます。頂上に立つ頃には気持ち良いほどの一体感! そよ風を感じながらのどかな田園風景を眺められます。エネルギーは教会内に8の字を描くように流れ込み、吹き抜けから天界に上昇しているようなイメージが浮かんだので、私もその流れに沿って歩いてみました。そして帰りは真っすぐ丘を下りました。
ふたつの聖なる泉
「丘のふもとに聖水が湧き出る井戸がある」という出発前に調べた情報を頼りに村で聞いてみると、2カ所あるとのこと。ひとつ目の泉、「ホワイト・スプリング」はすぐ見つかりました。ろうそくの灯りが暗闇を照らす洞窟のような場所に、バースにあった温泉遺跡のごとく年代を感じさせるプールがあります。どこからともなく流れる美しいチャントと源泉から流れ落ちる水の音が絶妙なハーモニーを奏でて空間の隅々まで響き渡り、静謐をたたえていました。しかしながら沐浴する全裸の男女が目の前を横切るため落ち着かず、長居はしませんでした。
ふたつ目の泉は場所がわからず、諦めかけて歩いていると、美しい真っ赤なバラの花が目に留まりました。近づいて香りをかぐと、そこに庭園入り口へと案内する看板が。受付まで進み、話を聞いてみると、なんとこの庭園内に泉が湧いているとのこと。ここが「チャリス(杯の)・ウェル(井戸)」と呼ばれる、もうひとつの泉でした! この聖なる泉には、キリストの最後の晩餐で使われた聖杯が沈んでいるとする伝承があり、ジョン・レノンがこの庭園で名曲「イマジン」の着想を得たという逸話も。それらが真実かどうかは別にして、庭園を散策していると、とても穏やかで平和な気持ちになります。ホワイト・スプリングが陰だとすれば、チャリス・ウェルは陽のエネルギー。さすがはパワースポット、陰があれば、そのすぐ近くに陽が存在するのです。
庭園を歩いていて、すれ違う人々と目が合うと相手はハッとした顔をして、“Good to see you again!”と微笑んで声をかけてくれます。私も不思議と、「今世では知らない人だけれど、どこかで会っていますね? あなたを知っています」という感覚が同じようにありました。そう言えば、やはりパワースポットとして有名なカリフォルニア州シャスタ山でも、同じ出来事が。初めて会ったのに「またお会いしましたね」と声をかけられたのは、ダイアン・ロビンスという『空洞地球』の著者でした。魂のご縁のある人と、この日、この場所でまた会おうと約束したのは、何のためでしょう?
チャリス・ウェルは庭園奥にあり、魔法使いのように数人が井戸を取り囲んでチャンティングしていました。そのうちのひとり、サイキックらしき女性が何気なく口にした言葉で、長年の謎が解けました。この日、天気予報では100%雨だったのですが、見事な晴天。私が旅する時はいつも、天気予報は雨でも晴れるのです。その理由が、この旅でついに判明しました。(後編に続く)