新年は習いごとや体にいいことを始めたい、と思っている人も多いのでは。今回は、屋内ロッククライミングのボルダリング、北欧スタイルの織物、体さえあればどこでもできるボイスレッスン、心身の健康を維持するヨガに、ソイソーススタッフが初挑戦してみました。
取材・文:越宮照代、中野智絵、石橋迪与 写真:越宮照代、山﨑悠
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ボイストレーニング
体は誰もが持っている楽器
福島邦子ボイストレーニング教室は、シータック空港駅からバスで約10分の静かな住宅街の一角にある。これまでカラオケにさえも行ったことのない私。ましてボイストレーニングなんて夢にも考えたことがなかったのだが、「歌は誰にでもできる音楽活動ですよ」と先生である福島さんに言われて、恐る恐るチャレンジしてみることにした。体が楽器になるので、身一つで行けばボイストレーニングが受けられるというのもありがたい 。
福島さんは1978年に日本でシンガーソングライターとしてデビューし、以来、自身の曲の他、研ナオコ、ザ・チェッカーズ、Anri、中森明菜、倉橋ルイ子、水谷豊、風見慎吾など多くのアーティストに曲を提供している。2014年にシアトルに移住するまでは、ミュージシャンとしての活動の傍ら、東京の大手音楽会社、養成所、学校などでボイストレーナーとして指導を担当。歌手志望の生徒はもちろん、俳優の卵や現役の声優にセリフの発声法なども教えていたそうだ。
ボイストレーニングと聞くと、エンターテイメントの世界の人のお稽古というイメージだが、「いえいえ、そんなことはありません」と福島さん。「歌手や俳優志望でなくても、『この歌をどうしても上手に歌えるようになりたい』とか『娘の結婚式にぜひ歌を歌ってやりたいんです』と言って、レッスンを受けに来られる方や、発声や声に悩みをもっていてアドバイスを求めに来られる方など、生徒さんは様々です」。レッスンを受ける人の年齢も高校生から、80歳以上の人までと幅広いそうだ。
写真写りが良くなる効果も?
歌を歌うのに大切なのが腹式呼吸で、レッスンもまず腹式呼吸の練習からスタート。立った状態でおへそに手を当てる。口を軽く閉じ、全身をリラックスさせて肩を上げておろす。いいにおいをかぐように鼻から空気をすっと吸って、口からゆっくり「しゅー」と息を吐き出す。体全体を使った深呼吸の動作を繰り返すことで、体が少しずつ暖かくなって、呼吸が整ってきた。
次に、自分の一番出しやすい高さを見つけ、同時に声帯を柔らかくするために、呼吸に声を乗せて低い音から高い音までいろいろ出していく。そして、笑う練習までするのだ。お腹をぐっと締め「はっ」と息を吐き、スタッカートをつけて「あははは」。こうすると安定したバランスの声になるのだとか。
「まずは顔の筋肉を柔らかくすることが、はっきりした発音の基本となります」。例えば、舌を柔らかくするため日本人が苦手な「R」の発音。「思いっきり息を吐きながら唇を柔らかくするとスムーズに出来ますよ」。目・鼻・口の全ての筋肉を使うため、日頃使わない表情筋が柔らかくなり、顔全体が引き締まって写真写りが良くなる、というおまけも付いてくるそうだ。
ボイストレーニングというと、カラオケのように歌う練習をするのかと思っていたら、そうではなく、実際には歌というよりも発声練習。それも単に声を出すのではなく腹筋を使うためスポーツのようで、とてもリフレッシュされて予想以上に楽しかった。
歌の上達を目的とする人はもちろんだが、仕事や学校などで、発表の機会が多い人や、話し方に自信のない人などにもいいのではないかと、実際にトレーニングを受けてみて思った。それに、全身の筋肉を使うためレッスンの後は体が温かくなり、大きな声を出すのでストレス発散にもおすすめだ。
福島邦子ボイストレーニング教室
Sea-Tac 市
料金:1 レッスン(40 分) $30~
olive_may2010@yahoo.co.jp
info@kuniko-fukushima.com
www.kuniko-fukushima.com