地元でライブ・ミュージックをはしご!
ウォーリングフォード・
ポーチフェスト
取材・文:白木満海
6月24日、地元のアーティストが参加する無料のコミュニティー・イベントが行われ、会場となったウォーリングフォード界隈は、音楽を通じて一体感に包まれました。
「ウォーリングフォード・ポーチフェスト」は、ロックやパンクからブルーグラスまで、さまざまなジャンルの音楽を演奏するローカル・バンドが、ウォーリングフォードの家々のポーチでパフォーマンスを披露するというユニークなイベント。コロナ禍でも安全と感じられる方法でライブ・ミュージックを届け、地元を盛り上げようと2021年に始まった。観客は会場となる家の前の芝生や歩道に座り、音楽に親しみながら、ちょっとしたお祭り気分も味わえる。
ポーチフェストはもともと、あるバンドが練習中、近所の人々が集まって聴き始めたのをきっかけに、コミュニティーをベースに生演奏を聴けるようにすることで近所の絆を深め、街を活気付けようと始まったそう。今年、ウォーリングフォードではポーチ9カ所に17組のバンドが集結。正午から夜8時半までの長丁場となった。
当日はウォーリングフォードの一画で車が通行止めとなり、多くの人であふれかえった。ポーチの前でビールを片手に友人、家族と会話をしながら生演奏を楽しむ人たちの様子は、アメリカの映画やドラマに出てくる風景そのものだ。そばでは犬がくつろぎ、子どもたちも大はしゃぎ。初夏のシアトルでアフターコロナの晴れやかさを共有しながら、人々の距離がぐっと近付いたように見える。タコスやTシャツ、アートなどの販売もあった。
それぞれのバンドが個性的なステージで観客を魅了したが、特に感動を覚えたのはヒップホップ・アーティストのJ-Marだ。キャッチーなメロディーと歌詞は、思わず口ずさんでしまうほど。人々はダンスをし始め、手拍子や合いの手もどんどん増え、会場は大きく沸いた。
新たな音楽やアーティストとつながる、開放的で心地良い非日常の空間。ポーチフェストは誰にとっても、ワクワクする体験となるはず。ぜひ来年も訪れたいものだ。