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ユタ州ソルトレイクシティーの第15回「日本祭り」〜Editor’s Note スタッフこぼれ話

ユタ州ソルトレイクシティーの第15回「日本祭り」

日本町と書かれた看板奥に見えるのが日本キリスト教会
たくさんの人が行き来していた終了間際だったためすいていたが毎年かなり混雑する

約14年ぶりに、昔住んでいたソルトレイクシティーを訪れた。空港に到着した4月27日は、偶然にも日本祭りの日だった。シアトルと比較すると小規模だが、ソルトレイクシティーにも日系コミュニティーが存在し、毎年「日本祭り」が開催される。午前10時から午後5時までの1日限りで、ダウンタウンのかつての日本町が会場だ。人気イベントのため、車を停められる場所がなかなか見つからず、祭り終了の10分前になんとか会場に到着。

きれいに貼られてある資料奥には着物が展示されている

ジャパンタウン·ストリートの両側に40件以上並ぶブースは、すでに片づけ作業に入っていたが、多くの展示品がある日本キリスト教会とソルトレイク仏教寺院はまだ開放されていた。どちらも1910年代に建てられた当日本町で唯一現存する歴史的建造物だ。日系の歴史に関する資料がパネルに整然と貼られて展示されており、ステージ上には着物、会場内の各所には、生け花や書道、盆栽、絵画などの作品が飾られていた。中でも、ある書道の作品が目に留まった。半紙とほぼ同幅で力強く大胆に書かれた「慈悲」の2文字。ちょうど良いかすれ具合いと特徴的に書かれた「いとがしら」に引かれたからだろうか。少し立ち止まって眺めた。

ユタ州に日本人の移民が初めてやってきたのは1800年代。鉄道関係や農業、炭鉱の仕事に従事した。当時の日系人の資料のなかに、渡米後シアトルの女性と結婚し、ユタに移住したという経歴の人物を発見。両地に馴染みがある筆者には興味深かった。もう少しいろいろ見て回りたかったが、終了時間になったため、しぶしぶその場を後にした。長い年月を経ての再訪、以前とは違う視点で物事を見ている自分がいた。