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人気のファストファションの真実

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人気のファストファションの真実
~自分が昨日捨てた服を覚えていますか?~
写真の投稿も大歓迎!紹介文を添えてご応募ください。

あなたは自分の服のタグに記されている国を知っているだろうか。ドキュメンタリー映画「The True Cost(邦題:ザ・トゥルー・コスト 〜ファストファッション 真の代償〜)」は、世界のファストファッションの現状について取材し、「私たちのクローゼットに眠る大量の洋服の本当の価値とは?」、「消費者にできることとは?」と、鑑賞者に投げかけている作品である。「搾取の象像」と問題視される衣料業界の裏側——サプライチェーンの底辺をリアルに描き、衣服を作るカンボジアやバングラデシュ、また衣服の原材料を生産しているインドなどの労働環境を伝えている。ファストファッションを好む若い世代に観て欲しい。身に着けている服が、昨日買った服が、今まさに捨てようとした服が、どこでどのように作られているのか。

このドキュメンタリーが撮影された背景には、2013年にバングラデシュのダッカ近郊で起きたビル崩落事故がある。ダッカにある8階建ての「ラナ・プラザ」は商業ビルで、有名な多くのファストファッション・ブランドはこのビル内の工場で働く従業員により作られていた。そんなビルが突然崩れ落ち、何百人の人が生き埋めとなり、推定1,134人が死亡、2,500人以上が負傷という大惨事を招いた。未然に防げる事故であったとされたことから、さらにメディアをかき立て、問題改善の必要性を世間に知らしめた。

作品では、服の材料にされているコットンを、インドで10歳にも満たない子が低賃金で栽培し、その際使用される殺虫剤や駆除剤の副作用で、重度の障害を患う姿も捉えている。経済発展の裏側に潜む彼らの犠牲は計り知れないものであることを示している。

また、このドキュメンタリーは、ただ残酷な真実を取材して終わるのではなく、私たちに何ができるか提示している点も印象に残る。今日、世界中でフェアトレードを通して支援する「World Fair Trade」にも焦点を置く。アメリカなどの先進国を中心に、洋服をレンタルできるサービスも導入され、まだまだ改善の余地はあるものの、さまざまな取り組みがあることにも注目したい。私自身、消費者のひとりとしてフェアトレードの知識を身に付け、洋服を買う際はまず洋服のタグを見ることから始め、洋服の買い方を変えていきたい。

(S.N/ワシントン州シアトル)

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