アメリカ人学生とのシェアハウス
シアトルに来て2週間経った時、ホームステイを止めてシェアハウスに飛び込むことを決意した。シアトルに住む日本人をつてにアメリカ人学生だけが住む場所を紹介してもらい、まだスーツケースの荷物も出し終わらないうちにホームステイ先に別れを告げた。おかげで、アメリカ文化に触れる機会が大幅に増え、とても濃い充実した留学生活を送ることができたと実感している。
初日から驚きの連続だった。引越しが終わって少し疲れたのでベッドに横になっているといきなり部屋のドアをたたかれ、「飲みに行こう」と誘われた。ドアを開けると6人のハウスメートがいて、自己紹介もそこそこに、気が付けばバーでビールを飲んでいた。6人のアメリカ人に囲まれ、英語力もままならない日本人留学生が一緒にお酒を飲んでいるという状況は奇妙な感覚だったが、とても楽しく、シェアハウスを選択して良かったと感じた。それからも、週末にはハウスパーティーやバーへと繰り出す生活。平日は大量の宿題を抱え、真面目に勉強しているアメリカ人学生だが、週末になると大騒ぎをする。その切り替えの上手さにも驚いた。そして忘れもしないアメリカ独立記念日(7月4日)。赤、白、青のアメリカ国旗の色に合わせて服をコーディネートし、朝からお酒を飲み、ビアポンやキングスカップといったアメリカンなゲームを隣人も巻き込んで楽しみ、夜はみんなでスペースニードルから上がる花火を見に行った。この長い一日はアメリカ留学生活で一番の思い出だ。また、アメリカと日本の政治的な考え方、ライフワークバランスの考え方、歴史観の違いなども幾度となく語り合ったことも思い出深い。
シェアハウス生活も11カ月がたち、留学生活ももう終わりを迎えてしまうが、この家で過ごした時間は一生の財産になった。現地人とのシェアハウスに迷いがある留学生も多いかもしれない。しかし、そこには今まで感じることがなかった体験や楽しみが待っていることだろう。
(KA/シアトル)