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手描きアニメーションとオペラのコラボレーション! シアトル・オペラの「魔笛」〜行ってきました

手描きアニメーションとオペラの
コラボレーション!
シアトル・オペラの「魔笛」

取材・文:リー・ジャニス

シアトルセンター近くのマッコー・ホールで、2月22日から3月9日まで公演されたオペラ「魔笛まてき」(マジック・フルート)を観劇しました。王子が姫を助けに奔走するという王道の救出劇がオペラでどのように演じられたのでしょうか。

モーツァルトの最高傑作とうたわれるこの作品は、プロダクション独自の手描きのアニメーションや1920年代のサイレント映画、カートゥーンなどを用いることで、敷居が高いと思われがちなオペラを気軽に楽しめる内容となっている。

©︎ Sunny Martini

さらわれたパミーナ姫(右)がパパゲーノ(左)の協力で脱走を試みるも、すぐに捕まる

舞台はオーケストラの演奏から始まり、主人公のタミーノ王子が大蛇に追われるシーンへと展開する。サイレント映画風スクリーンにセリフが度々表示され、予備知識がなくても問題なくストーリーを理解できた。個性的な風貌と性格のキャラクターが次々と登場し、視覚的にも楽しい。オペラなのでもちろん歌声にもじっくりと耳を傾けた。タミーノ王子への愛を悲痛に歌うパミーナ姫の姿には特に感動させられ、今も鮮明に思い出せる。また、パミーナ姫がさらわれた先であるスチームパンク調の神殿は、機械的なキャラクターと緻密な背景が印象的で、その独特の世界観に引き込まれた。筆者のお気に入りの登場人物は、恐ろしい姿の夜の女王と、おしゃべりが止まらないパパゲーノ。その2人とほかの登場人物との掛け合いはコミカルで心をつかまれた。

©︎Sunny Martini

大蛇を倒してくれたと早とちりし、パパゲーノ(右)を混乱させるタミーノ王子(左)

劇中にはさまざまなモチーフが出てくるが、その中でも頻出したのが三角の中央に目がある「プロビデンスの目」。これは、当時異端とみなされていたフリーメイソンの象徴だと知り、この作品の謎めいた魅力をより一層引き立てていると感じた。

© Sunny Martini

魔笛の力を借りながら、2人の愛が試される試練に挑む

モーツァルトの遺作となったこの作品は、彼がどのような思いで誰に向け作り上げたかとても気になった。ドイツ語の歌詞や抽象的な表現が多く想像力が試されるが、アニメーションとオペラという独創的な組み合わせは、鑑賞後に同伴者と感想を語り合いたくなるような高揚感を与えてくれる作品だったと太鼓判を押したい

Seattle Opera www.seattleopera.org
リー ・ジャニス
東京の大学を卒業後、2023年にシアトルへ移住。アニメ鑑賞とフィギュア集めが趣味のオタク。目標は英語のネイティブスピーカーになること。