ミュージカル
「ディズニーズ・ ザ・リトル・マーメイド」
取材・文:本田絢乃
大人気ミュージカル「ディズニーズ・ザ・リトル・マーメイド」が、7年ぶりにシアトルへカムバック! 1989年に大ヒットしたディズニーのアニメ映画公開35周年を祝して、9月8日からのプレビューに始まり、10月8日までフィフス・アベニュー・シアターで上演されました。
9月15日のオープニング・ナイトは、新たにマネジング・ディレクターに就任したケイティー・マルタイスさんの挨拶でスタート。「就任初日を、自分の居場所を見つけることがテーマのショーで迎えられたことに感激しています」と語った。
フィフス・アベニュー・シアターのステージで人魚姫アリエルを演じたのは、シアトル出身のダイアナ・ヒューイさん。圧倒的な歌唱力を持つ実力派俳優だ。2016年の初演時も、日系アメリカ人として初めてアリエル役に抜擢され、グレゴリー賞ミュージカル部門優秀女優賞を受賞している。ファンタジーの世界からそのまま飛び出してきたようなチャーミングなキャラクターに、終始うっとり。
ディズニーの世界観のまま、舞台ならではのワクワクする仕掛けが随所に加えられた脚本もまた素晴らしく、あっと驚く演出に、何度も拍手喝采で客席が沸いた。舞台の上はまさに海底そのもので、観客たちは確かに「水中を泳ぐアリエルの姿」を目の当たりにした。
いちばん盛り上がりを見せたのは、アリエルのお目付け役であるカニのセバスチャンが仲間と一緒に名曲「アンダー・ザ・シー」を歌う場面。思わず踊り出したくなるおなじみのメロディーと華やかなダンスに、多くの観客が身体でリズムを刻み楽しんだ。
声が出なくなったアリエルに、エリック王子が「あなたは、ベル? ジャスミン? エルサ?」とディズニー・プリンセスの名前を次々に挙げて尋ねると、大きな笑いが巻き起こる場面も。ディズニー・ファンの期待を裏切らない最高のミュージカルだったと自信を持って言える。