ワールド・バレエ・シリーズ
「シンデレラ」
取材・文:本田絢乃
11月19日(日)まで「シンデレラ」の北米ツアーを行っているワールド・バレエ・シリーズ。シアトルでは、10月27日にパラマウント・シアターで上演されました。
ワールド・バレエ・シリーズは、特定の劇場を持たず、米国各地を巡回しながら活動を行うツアー・カンパニーと呼ばれるバレエ団だ。シアトル公演は年に1度あるかないかということで、この機会を逃すまいとチケットを購入。歴史あるパラマウント・シアターの前方席でも100ドル以下と、価格も手が届きやすい。
演目は世代を超えて語り継がれる名作、シンデレラ。作曲家のセルゲイ・プロコフィエフによる美しいバレエ音楽に合わせて、同バレエ団振付師のマリーナ・ケスラー氏が手掛けたオリジナル版がシアトルで披露された。10カ国以上から集結したダンサー約40名の中には、野村悠花さん、松本美月さん、宮庄眞記子さんの3名も。日本人の世界的な活躍を目にするのは、やはりうれしいものだ。プリンセス・アイコンのシンデレラだけに、会場にはブルーのドレスで着飾った少女がたくさん。ほかにも、さまざまな世代のファンが集まっていた。
ストーリーは大きくアレンジされることなく、王道そのもの。意地悪な継母と姉たちに虐げられていたシンデレラが、妖精の魔法で美しく変身し、舞踏会で出会った王子と恋に落ちる。魔法が解けてシンデレラが急ぎ帰ったあとに残されたのは、クリスタルのトーシューズ。それを頼りに、王子がシンデレラを探し出し、ハッピーエンドに。有名なバレエ団が上演するよりもエンターテインメント要素が強く、喜劇のようなわかりやすい演技と演出が印象的だった。
舞台セットや衣装も現代的で華やか。劇中、拍手はもちろん、バレエでは珍しく笑い声も響いた。バレエに苦手意識がある人にこそ観てもらいたい作品だ。
https://worldballetseries.com