ブロードウェイ・ミュージカル「ヘアスプレー」シアトル公演
取材・文:ジェジュン・ジョン
5月11日から21日まで、シアトル近郊7つの映画館で開催された「第49回シアトル国際映画祭」。毎年大盛況のオープニング・ナイト・ガラの様子をレポートします。
1976年の創設以来、文化・歴史にフォーカスした作品を多く取り扱い、映画ファンを魅了してきたシアトル国際映画祭。今年も74カ国から264本が集められた。初日のオープニング・ナイト・ガラ会場となったのは、ダウンタウンのパラマウント・シアターだ。
当日、シアトルのブルース・ハレル市長の挨拶に続き、主催するSIFFのトム・マラ代表が登壇。そして、1963年の開館当時からシアトルの映画界で大きな役割を担ってきたシアトル・シネラマ・シアターを、SIFFが引き継ぐことを明らかにした。同館は2020年をもって閉館していたが、SIFFの買収によりシアトルの映画シーンに再びよみがえることに。この思いがけないサプライズに、観客たちは大いに沸いた。
アナウンスのあと、いよいよ映画祭オープニング作品、セリーン・ソング監督の「Past Lives」の上映が始まった。主人公は、韓国出身のノラ。12歳で家族とカナダに渡り、20代になってニューヨークへ移住すると、アメリカ人のアーサーと結婚する。だが、韓国時代の幼なじみ、ヘソンの存在は彼女にとって特別だった。スカイプで連絡を取りながらも、実際に再会できたのは24年後のこと。何か運命を感じていても今世で一緒になることは決してない、その現実を確かめ合うふたり。国をまたぐ恋愛物語は、そこはかとなく切なさを醸し出していた。
映画鑑賞後は、お待ちかねのパーティー・タイム。トゥッタ・ベラのピザやフル・ティルトのアイスクリームが振る舞われ、ドリンクもビール、カクテル、ショットと大満足のラインナップだ。まさにオープニング・ナイトにふさわしい、文句なしの幕開けとなった夜だった。
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