こんにちは、ライターのNaokoです。
自由で予測不能な舞台芸術、コンテンポラリーバレエ。パシフィックノースウエスト・バレエ(PNB)は、そんな魅力がたっぷり詰まった作品3点を公演中です。
6月2日に行われた初日は、バレエ関係者や目の肥えた長年のファンが目につき、スタンディングオべーションが続出しました。演目となった3作品は、全てPNBにとって初演。これまで見たことのない動きや演出に、感嘆のため息や思わず漏らす笑い声が会場に広がっていました。
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一作目は、20世紀の巨匠バランシン振付「La Source」。フランスロマン派ドリーブの音楽に合わせて、オレンジのチュチュを着たバレリーナたちが、音符が踊り出すかのように舞台を跳ね回ります。小刻みの速いステップが小気味よく、可愛く楽しい作品。
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二作目は、一転して心に強く訴えられるような作品「Opus 19/The Dreamer(ロビンス振付)」。プロコフィエフ作曲の同名バイオリン協奏曲にのせて、唯一白い衣装を身にまとった男性ダンサー「夢見る人」が、印象的な存在感を見せつけます。その他のダンサーは、青い照明に溶けこむような色の衣装で、影のように振舞い、時に舞台上から消え入りそうです。初日は、日本人の血をひくダンサー、ジェームズ・ムーアが「夢見る人」として観客の心を掴み、拍手喝采を得ました。
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最後に、現在最も多忙な振付家、ラトマンスキの振り付けた「Pictures at an Exhibition」。ムソルグスキーの名曲「展覧会の絵」をピアノソロで演奏し、カンディンスキーの絵をモチーフにした映像に、変幻自在とも言えるクリエイティブな衣装、綿密に計算された斬新でユニークな動きをPNBトップダンサーたちが実現し、一流アーティストたちの技術のハーモニーが、総合芸術となって、楽しませてくれました。
6月11日(日)まで。
チケット&詳細はwww.pnb.org