ワシントン州日米協会100周年記念の和食イベント
シアトルを代表するシェフと日本文化の
コラボレーション!
8月27日、ワシントン州日米協会の主催で「和食を祝う」をテーマに掲げたイベントが行われました。伝統的な日本の食や文化、地元の食材と味覚、プレゼンテーションを体感する素晴らしい機会となりました。
取材・文:白木満海
2013年に世界遺産登録された「和食」は、ここシアトルでも多くのアメリカ人に親しまれている。100周年を迎えたワシントン州日米協会では、特別イベントとして日本の伝統と次世代をつなぐ和食文化を紹介。会場は、ウディンビルにあるマシューズ・ワイナリーだ。
入り口では、ワシントン州日米協会メンバーがゲストをお出迎え。チェックインして、早速ウェルカム・シャンパンをいただく。ワイナリーの開放感あふれるオープンエアの空間を目の前に、胸がときめく。テーブル席ではおしゃべりが始まり、それぞれのグループで盛り上がっていた。
イベントは稲垣久生総領事の挨拶で幕開け。場がなごんだところで、マシューズ・ワイナリーを経営するブライアン・オティスさんのスピーチが続く。次にマイクが渡されたのは、加柴司郎さん。パイクプレイス・マーケットで寿司かしばを営む司郎さんは、言わずと知れたシアトルの寿司文化のパイオニア。日本の江戸前スタイルの食べ方などをレクチャーした。同時に用意されたのは、司郎さんによる3種のにぎり、マグロ、サーモン、ニシン。ペアリングのワインは、ジェイン・コテージ・リザーブ・ブラン・ド・ブラン(2020年)というフルーティーなスパークリング・ワインだ。意外なコンビネーションに思えたが、これが相性抜群だった。
そして、パイオニアスクエアに店を構える84 イェスラーのオーナー、高橋 進さんとシェフのクリスティーナ・シグールさんが、和食に対しての情熱に加え、同店がコンセプトとしている「国境のない食」を伝える。「いただきます」と「ごちそうさま」の意味の説明もあった。そこで運ばれてきたのは、だしがしみた大根と、タラの味噌漬け、漬物の盛り合わせ。スパイシーでやや酸味が強いマシューズ・リザーブ・ソーヴィニヨン・ブラン(2021年)が、タラの味噌漬けのコク深さを引き立てる。
そのあとに振る舞われたのは、レントンに立地するおまかせ寿司の藤原特製ちらし弁当。シイタケ、かんぴょう、さやえんどう、酢漬けレンコン、ゴボウ、錦糸卵のちらしと、さわやかさの中にテクスチャーが感じられるマシューズ・コロンビア・バレー・ソーヴィニヨン・ブラン(2022年)との組み合わせが絶妙なバランスだ。デザートはフランズのチョコレート。山田平安堂の漆の菊皿に美しいトリュフが映え、贅沢感いっぱいである。
シアトルの食材とワインに、日本伝統の和食や文化を融合したダイバースな体験は、とても貴重。このような場に参加できてうれしく思う。
Japan-America Society of the State of Washington
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