目指せ、長距離ランナー!フルマラソンに挑戦してみた
取材・文:ジェジュン・ジョン
ハーフマラソンで目標タイムの1時間40分切りを無事達成し、いよいよ念願のフルマラソンへ。人生初レースの模様をレポートします。
▪️ハーフマラソンから1カ月後のフルマラソンに向けて
右太ももの四頭筋の違和感により、直前2週間は全く走らずに臨んだ3月4日のハーフマラソンでは、身体に相当な負荷がかかった。レース直後は筋肉痛で足を引きずるほどだったが、3日も経つと痛みなく走れる状態に。早速、4月2日にエバレットで開催されるミルタウン・マラソンにエントリーした。準備期間としては短めだが、ハーフマラソンの成功体験でランニングに対するモチベーションが上がっていたことから、迷いはなかった。
さて練習再開、と少し距離と強度を上げ始めたのが3月14日のこと。6マイル手前までマイル7分10秒というハイペースで走れていたところ、急に左膝の外側に激痛が……。歩くことすらままならない状態となってしまった。1週間経っても痛みが引かないため調べてみると、どうやら腸脛靱帯炎、別名ランナー膝と呼ばれる長距離ランナー特有の疾患のようだ。軽度の場合は3、4週間、安静にすれば治るらしい。フルマラソンのレースまでは残り3週間弱。苦渋の選択だが、練習量を落とさざるを得ない。
3月23日、まだ膝の痛みは少しあったものの、マイル9分強というスローペースで8マイルのランをこなす。その2日後には、ワシントン大学で行われたチェリー・ブロッサム・ラン5キロの部を29分弱というタイムで流した。ペースを抑えることで多少の違和感にも耐えられたが、この時点で本番まで残り1週間。ハーフマラソン後の最長走行距離は8マイルにとどまっていた。さすがに短過ぎるので、3月26日には、ついに16マイルのランで勝負に出る。けがの不安が頭をよぎったが、なんとかマイル8分16秒で走り切った。3日後には同じペースで6マイルを走り、これにて超短縮でのレース調整は完了。レース直前の3日は極力歩くこともせず休養に当てた。膝は走ると少し痛みを感じる程度にまで回復していたが、不安8割、楽しみ2割でレースを迎えることとなった。
▪️ミルタウン・マラソン当日の結果は?
朝7時のレース開始に合わせて3時に起き、朝食とシャワーを済ませ、ストレッチを入念に行う。この日の予報は雨。朝5時半に会場に着くと、気温は2度だった。ハーフマラソン時とほぼ同じ状況だ。参加者は150人弱とかなり小規模。特に混み合うことなく、7時きっかりにレースが始まった。
このレースでは4時間切りが目標となる。直前の練習不足から、とにかく走り切れれば良いという思いで出発した。早くも1マイル目で左膝に痛みが出たため、最初の3マイルはマイル9分強のスロースタート。それでも、ちょうど4時間を切れるペースではある。フルマラソンは18マイル以降でペースが落ちると聞いていたので、4時間切りは厳しいかなと、一瞬弱気になった。
変化は4マイル目に訪れた。身体が温まったのか、走りにリズムが生まれ、膝の痛みも気にならないように。そこからはペースを徐々に上げ、7マイル地点ではマイル8分25秒に。マラソン大会には、目標タイムに合わせて参加ランナーたちを先導するペースメーカー(ペーサー)と呼ばれる走者がいるが、ちょうど3時間40分のペーサーに追い付いた。マイル8分10秒のペースで気持ち良く走っていたため、この一団を抜かすことも考えたが、後半に向けた体力温存を優先し、ペーサーについていくことにした。
そのまま23マイル地点までペーサーと一緒に走り、途中の水分補給と栄養補給もうまくいった。心肺機能は全く問題なし。足にも疲労を感じない。だが、ここで長い上り坂が立ちはだかる。急に疲れが出て、ペーサーに離された。スピードを上げる余力は残っていなかったため、最後の3マイルはマイル10分弱とかなりの失速となったが、道中一度も歩くことなく、3時間42分7秒というタイムでゴール。初フルマラソン完走に加え、目標タイムであった4時間切りも達成できた。
レース後には痛みがどっと来て、膝に加え右太ももの四頭筋も過去にないほどの悲鳴を上げた。1週間は激痛と戦う日々となったが、この達成感は何ものにも代え難い。痛みが引くまでゆっくり休み、また5月にはランニングを再開したいものだ。マラソン最高!
Snohomish Running Company
ミルタウン・マラソンを主催したスノホミッシュ・ランニング・カンパニーでは、ほかにも多くのマラソン大会を開催する。興味のある人は公式ウェブサイトでレース日程をチェック!
https://snohomishrunning.com