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ボールルーム・ダンシング

チャイニーズ・ニューイヤー・ダンスで行われた衣装コンテスト。 筆者撮影
チャイニーズニューイヤーダンスで行われた衣装コンテスト 筆者撮影

「スロー、スロー、クイック、クイック」。今習っているのは「フォックストロット」。ミチコさんの誘いで1年前に始めた社交ダンスに通っている。誘 いに乗った理由は、姿勢の矯正と、エクササイズ、ボケ防止効果を狙ってのこと。今日も近所の室内ホールで、教わったばかりのルーティンをミチコさん と一緒におさらいしたところだ。

 

レッスンは週1、2回、後は1時間まで無料で借りられるコミュニティーセンターなどで練習する。始めた頃は教師やパートナーから足元を見ないようにと よく注意されたが、今は未熟なりにも意識しつつ頭を上げ胸を張って、やっとルンバ、チャチャ、サンバ、ワルツ2種、イーストコースト・スウィング等 の初歩ルーティンが踊れるようになり、この分野では先輩の、美しい小林さんとも踊ってもらった。昨秋には大枚を払ってハイアット・リージェンシー・ ホテルで行われた「スノーボール・クラシック」国際コンペも見に行ったし、テレビの「Dancing with the Stars」も見ている。だが、10年選手で見事な リード振りを見せる友人のジェームズですら、音楽を聞いただけで合わせるダンスのリズムがつかめて、うまくリード出来るようになるまでは2年かかっ たと言うぐらいだから、道のりは果てしないようだ。

バンクーバーは中国系住民が多いことでもよく知られるが、彼らは社交ダンスを大層好むようで、ダンスホール人口の50%を占めているのではないか。 筆者のダンス教師も陽気で熱心な香港系移民女性なら、パートナーの1人も優雅でリッチな中国系一世だ。先日行ったチャイニーズ・ニューイヤー・ダン スでは衣装コンテストがあり、常連ダンサーが着飾ってホールは金色交じりの赤一色、大いに盛り上がった。残りの人種構成はまるで世界の人口分布にも 似て、ヨーロッパ系移民、韓国系、日本人一世が混じり合って仲良く踊り、まさに人種のるつぼ。

バーナビー市にあるシニアセンターの会員になって毎週月曜ドライブして出かけるが、ここでは友人のゲリーもジェームズも相手の年齢に関係なく誰とで も踊って人気者になっている。私も先日初めて92歳の白人女性と踊ったが、意外と(失礼!)楽しかった。最近、ワルツを踊ってぐるぐる回っているう ちに、初めて自分のリードでパートナーと一体となってリズムに乗っているのが分かり、ふーっと幸福感に襲われた。10年後には77歳になるが、その時 にはフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのように踊れるかな?

[カナダで再出発]

武田 彰
滋賀県生まれの団塊世代。京都産業大学卒業後日本を脱出。ヨーロッパで半年間過ごした後シアトルに。在シアトル日本国総領事館に現地職員として39年間勤務。政治経済や広報文化などの分野で活躍。ワシントン大学で英語文学士号、シアトル大学でESL教師の資格を取得。2013年10月定年退職。趣味はピックルボールと社交ダンス。