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カナダで一番早く春を迎えるバンクーバー

我がコンドのモクレン
我がコンドのモクレン

バンクーバーは、北米大陸の北部に位置しているにもかかわらず、黒潮につながる北太平洋海流やバンクーバー島の山脈に守られて1年中温暖で安定した気候が楽しめる半面、通常雨量はシアトルよりも多く、一年の161日が雨。今冬もよく降ったが、記録破りだったシアトルよりは少なめで、晴れの日が1週間以上続いた時もあった。おかげで、2月末には早くも気温が上がり始め、クロッカス、レンギョウ、水仙、椿、モクレン、ヘレボルス等が街中で咲きはじめ、街路樹の桜もあちこちで一斉に開花。春が突然やってきた。バンクーバーは農産物が成長する期間が年間221日もあり、カナダで一番早く春を迎える都市と言われている。
今回は春に楽しめるカナダの観光スポットをご紹介したい。

スクワミッシュ(Squamish)という町の南に一昨年5月開通した「シーツースカイ・ゴンドラ(Sea to Sky Gondola)」は、市内から車でウイスラーに向けて1時間弱。シアトルからはやや遠出になるがその分喜びは大きい。スタンリーパークを抜けて橋を渡り、ホースシューベイ(Horseshoe Bay)を左に見て更に海沿いを北に向かうと、ハウ湾(Howe Sound)の水面から一挙にそびえ立つ山々と、それを覆う深緑の常緑樹に混じったパステル色の優しい落葉樹群が目に入る。かつて見たこともないような北国のこの大自然はバンクーバーで私が最も好きな景色だ。
ベースの駐車場に車を止めて、海抜885mをゴンドラで10分で登ると頂上には見晴らし台とコーヒー・ショップ、レストランがある。屋外テーブルからハウ湾を見下ろすと、まるで絵に描いたようなカナダの景色が広がる。周囲には、家族向けの短いものから本格的なバックパック用も含め8コースのハイキングトレイルがある。ハイキングの後にレストランで冷たい地ビールを飲むのも楽しみのひとつだ。
ウイスラ―まではそこから30分なので、日程に余裕があれば足を延ばしたいところ。4月~6月の間はスキーシーズンが終わり夏の観光客もまだあまり来ないので、どこも空いており、宿も非常に安く、訪れるには絶好のチャンスだ。
美しい景色を堪能した後はバンクーバーに1、2泊して、沢山あるレストランを試していただきたい。私も食べることが大好きで、楽しみの一つが5月になるとバンクーバー島近辺で一斉に水揚げされる「Spot Prawns(ボタンエビ)」。海辺に宿をとってその場で買い求めて刺身で頂くと、ほんのり甘くてこりこりした食感が最高。
「セビーチェ」にしたり、軽く炒めたりフライにしたり、ワイン蒸し・酒蒸しなどにしてロゼワインと一緒に頂くのも絶品。うちの近所には季節になるとボタンエビを出してくれる炙り寿司専門店もあり、やや値は張るが地元住民や観光客でいつも満員だ。

[カナダで再出発]

武田 彰
滋賀県生まれの団塊世代。京都産業大学卒業後日本を脱出。ヨーロッパで半年間過ごした後シアトルに。在シアトル日本国総領事館に現地職員として39年間勤務。政治経済や広報文化などの分野で活躍。ワシントン大学で英語文学士号、シアトル大学でESL教師の資格を取得。2013年10月定年退職。趣味はピックルボールと社交ダンス。