横浜から船でバンクーバーへ その1
シアトルに本拠を置く会社、ホーランド・アメリカのクルーズで、わが趣味のピックルボールとボールルーム・ダンスを楽しめると聞き、1年前に予約。横浜―バンクーバー間にすれば日本にも行けるし、約2週間の船旅でゆっくりカナダに戻るので時差調整も楽だろうと期待したが、いろいろあって結果は良し悪しだった。
4月下旬、友人3人と成田に飛ぶ。フライトはシアトル経由で2時間遅れとなり、ぐったり。成田のホテルにチェックインし、食堂で見慣れた日本食のメニューを見ると思わず食欲が湧く。ここから東京、湯河原、横浜で5日間過ごすわけだが、年号替わりと10連休を控えた日本は一億総「令和」騒ぎだ。
翌朝、成田山新勝寺参道を散策し、午後は新宿へ。予定していた薬局での買い物を済ませ、友人共々胃や膝の疲れを薬で癒す。新宿は高層ビルや地下鉄が入り組み、目的地を探すのが大変。やっと見つけた宿はあいにく若者向きで、ロック音楽は年寄りにはやかましく、コンピューターで自らチェックインするのも煩わしい。だが、フロント無人化を先取りするようで、さすが東京だ。夜は東久留米に住む旧友宅に招待され、またもや食べ過ぎる。
日本では必ず行きたい温泉は、知人が薦める湯河原温泉に宿を取った。300年の歴史を誇る上野屋の2間続きの部屋にはトイレと洗面所があるのみ。普段は大人しい連れの女性が「シャワー付きの部屋でないとイヤ」と突然大声でない物ねだりを始め、「あぁ、旅もこれで台なし」と憂うも、貸し切り風呂が2カ所あるとわかり、機嫌が直って一同ホッ。
温泉を2泊楽しみ、土産も買って「踊り子」号で横浜へ。横浜みなとみらい21はGWで人がいっぱい。新開地にはユニクロやダイソーなどなじみの店もあり、透明傘や靴の特殊インソールなど日本ならではのアイテムをバッグに詰める。昼は東京の友人とイタリア料理店、ラ・テンダ・ロッサで再会。彼女のおすすめだけあって、スタッフはよく気が付き、若シェフも客席に来て挨拶するなどしゃれている。ところで店内の日本女性を見ると、皆ほとんど化粧をしていない。友人に尋ねると、「自然に見せる化粧が流行っているの。肌が白くて頬がうっすらピンクでしょう。あれでも時間をかけて化粧しているのよ」との説明。その手間やお金をもっと意義深いことに使ったらと言いたくなるが、余計なお世話か。
翌日曜は、シアトルの旧友と落ち合って中華街へ。日本一と銘打つ飲茶屋の前は100メートルもの行列ができている。われわれはカフェに逃れ、カレーライスとエビピラフを食す。日本はどこで何を食べてもおいしい。(つづく)