ヒロコ・ムトーさんのサイン会&朗読会『天使になったシュクちゃん 世界一愛された犬の七年半』

子どもたちのいじめをなくすための出張朗読「心の宅急便」を続けている作家のヒロコ・ムトーさんの最新作『天使になったシュクちゃん 世界一愛された犬の七年半』が3 月9 日、文藝春秋から発行された。ムトーさんはシアトルでも「心の宅急便」を届けていて、縁があることから、4月11日にシアトル紀伊国屋書店で朗読会とサイン会をすることが決まった。 本書は、ムトーさんの友人ミナコさんと愛犬の実話をもとにしている。ペットショップで売れ残っていた心臓病持ちのキャバリア犬を引き取った一家は、犬を「シュクちゃん」と名付けて愛を降り注ぎ、7 年半の日々を共に過ごした。シュクちゃんの最後のご奉公は、一家の息子の結婚式で牧師を務めることだった……。 実はこの物語は10 年間眠っていたが、今回ようやく日の目を見ることになったといういきさつがあり、本書の後書きでムトーさんはこう書いている。 「この十年という長い期間で、犬や猫など、ペットと人の関わりは大きく変わったように感じます。ペットはもうただのペットではなく、大切な家族の一員であり、孤独な人の心を支える大きな存在となっています。 でも、その一方で、小さな生命を粗末に、時に残虐に扱う事件も増えてきました。もしかしたらシュクちゃんの物語は、今の時代の方が必要としているかも……。ミナコさんとその家族の、十年経っても変わらないその愛が、一人でも多くの人に届いてほしいと思っています」 イベント当日は、ムトーさんが、自身で書き起こした朗読台本をBGM 入りで朗読し、友人のショルツ悦子さんによって英語の朗読が行われる。その後、質疑応答、サイン会が開催される。