取材・文・写真:山田百合菜
情報提供協力:EN Pacific Service Inc. 株式会社アンプラグド
今年6月にアメリカで公開されたドキュメンタリー・ドラマ映画『Soaked In Bleach(邦題 ソークト・イン・ブリーチ〜カート・コバーン 死の疑惑〜)』が12月12日、日本で公開される。一世を風靡したシアトル出身のロックミュージシャン、カート・コバーンの疑惑の死について取り上げた作品だ。そこで、カート・コバーンにゆかりの場所を訪れてみた。
イースト・シアトル地区にあるヴィレッタ公園(151 Lake Washington Boulevard E., Seattle, WA)は、カートが生前によく行っていた場所として知られる。公園といっても、人通りの少ない閑静な住宅街の一角に芝生とベンチがあるだけの質素なところだ。隣接して車道があり、ワシントン湖沿いをドライブをしていると突然公園とベンチが現れる。こんなところに公園があるのかと、なんとも不思議な印象を受ける。ベンチに座るとワシントン湖を眺めることができ、誰にも邪魔されず自分と向き合うのにはぴったりの場所に思えた。
公園内の2つのベンチは「カートの墓標」としても有名で、ベンチにはファンが書き込んだらしいカートの作詞した曲のフレーズや名言が、色褪せたものから真新しいものまでたくさん見られ、そこに黄色い花がそっと置いてあった。カート・コバーンという歌手が、20年経った今でも多くの人に愛され影響を与えているのだなと、その存在の大きさを改めて感じた。
映画『ソークト・イン・ブリーチ ~カート・コバーン 死の疑惑~』
『ソークト・イン・ブリーチ』の中で重要なキーワードになっているのがカートの遺書だ。彼の残した数々の歌詞から、その死は自殺と受け止められていたが、映画は、「カート・コバーンの死は自殺ではなかった」と主張する。2014年に警察が公開した捜査証拠としてのある人物の証言と、私立探偵グラントの20年にわたる独自調査、事件関係者へのインタビューを基に製作されており、今回初公開される証言者との電話のやり取りは臨場感がある。日本のカートファンにとっては衝撃的な映画であることは間違いない。
(映画オフィシャルサイト:sib-movie.com)