サマミッシュリバー・トレイル(Sammamish River Trail)は、バークギルマン・トレイル(Burke-Gilman Trail)と総括して呼ばれることが多い。しかし実は、バラードのゴールデンガーデンズパーク(Golden Gardens Park)からケンモアのトレイシーオーウェン・ステーションまでの約20マイルがバークギルマン・トレイルで、そこから先メリモアパークまでの川沿いの自然豊かなトレイル約10マイルは、サマミッシュリバー・トレイルと呼ばれる。
同トレイルは景観の美しさに加えて、坂がほとんどない舗装路のため、アスリートたちのトレーニング場としても人気があり、散策する人にまじってサイクリストやランナーを多く見かける。
トレイルの全長は自転車だと往復約1 時間半、徒歩だと単純計算して約8 時間かかる距離なので、一度に全長を歩く人はあまりいない。トレイル上にあるいくつかの公園をスタート地点としてその辺りを歩くのが一般的だ。今回はそのうちの主な公園をご紹介する。
トレイルの北端に近いウディンビル(Woodinville)周辺には、ワイナリー、ブルワリー、レストラン、アンティークショップなどが集中しているので、ランチや夕食に合わせてウォーキングプランを立ててはいかが?
Marymoor Park

広大な公園内にはサッカー場、野球場、テニスコート、ロッククライマーの練習場にもなるクライミングウォール、綱なしで散歩できる犬の公園などがあり、さまざまなアクティビティができる。園内にはいろいろなトレイルがあるが、サマミッシュリバー・トレイルは公園入り口の北側から出ている。
6046 W. Lake Sammamish Pkwy NE, Redmond
Sixty Acres Park

周囲には何もないので、トレイル散策やランニング、サイクリングを集中して楽しみたい人におすすめのスポット。道路を隔てて北が大きなスポーツ用のフィールドになっている。トレイル入り口は道路南側の小さなフィールドの西寄り。トレイルに沿って流れる川にはカモが泳ぎ、トレイル上をカナダガンが我が物顔で歩いている。ポプラ並木の向こうの牧場では馬がのんびり草を食んでいる。ベルビューダウンタウンから車で約20分。
15200 NE 116th St., Redmond
Wilmot Gateway Park

ワイナリーが集中する一角を通り過ぎてウディンビルのダウンタウンに入る手前にある公園。園内施設が充実。支流のベアクリークがサマミッシュ川に流れ込むあたりに古い鉄橋がかかっていて、トレイルに風情を与えている。ここから園芸店のモルバックス(Molbak’s ⑦までは歩いて10 分。
17301 131st Ave. NE, Woodinville
Park at Bothell Landing

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
小さいながら、歴史博物館と呼ばれる古い建物がいくつかあり、内部にはかつて木材で栄えた時代を彷彿とさせる日常品などが陳列されていて興味深い。歴史好きの人には特におすすめ。立派なプレイグラウンドもあるので、子どもを遊ばせるのにもいい。園内を流れるサマミッシュ川には古いアーチ型の木の橋がかかっており、それを渡ったところがトレイル。
9919 NE 180th St., Bothell
Tracy Owen Station /Log Boom Park

ワシントン湖に面したケンモアの公園。ここのトレイルはバークギルマン・トレイルの一部だが、夕焼けが見たくて足を伸ばすことにした。名前が表すように、かつてこの辺りは木材で栄えた所。周辺の山で伐採された丸太がここに集積され、湖を渡ってシアトルに送られたのだろうな、と想像力がかき立てられる。園内にはケンモアの歴史を解説した写真入りのパネルがいくつか設置されているの
で、時間があればゆっくり鑑賞したい。
湖の中に延びている長い桟橋に向かって歩き始めたところで、ビーバーが泳いでいるのを目撃。「こんなところにビーバーが!」と一同驚く。桟橋では釣りをしている人がいる。聞くとブラックバスがいるのだとか。しかし真剣に釣っているわけでもなさそうだった。
一日の程よい疲れを感じながら対岸の山の向こうに沈む夕日を見ていると、なんだか満ち足りた気持ちになる。桟橋には私たちと同じ思いの人たちが夕暮れの空を見つめていた。
17415 61st Ave. NE, Kenmore

ウディンビルを通るトレイル上のウィルモット・ゲートウェイパークから歩いて約10分のところにホームセンター「モルバックス(Molbak’s)」がある。
一見すると普通の園芸店だが、店内に足を踏み入れると良い意味で期待を裏切られる。
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
併設するガーデン・カフェでは、ドリンクやスナックの他に、サンドイッチやピザ、サラダとサンドイッチがセットのランチコンボなど、本格的な食事を楽しむことができる。カフェは午後5 時、モルバックス全体は午後6 時に閉店するので、ゆっくり楽しみたい人は早めにお出かけを。
13625 NE 175th St., Woodinville
☎ 425-483-5000 www.molbaks.com
営業時間:9am~6pm(カフェ 9am~5pm、グリル11am~4pm)
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❹アップルファームビレッジ&
❺ハリウッド・スクールハウス
ウディンビルの「ワインカントリー」の入り口周辺にあるアップルファームビレッジ(Apple Farm Village)は、オールドファッションな建物の中に、高級アンティークショップ、ワインテイスティングルーム、美容サロン、ギャラリー、カフェ、マッサージサロンなど様々な店が入っている。
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中でも注目なのが、表通りに面したローザ・マンディーズ(Rosa Mundi’s)。フレンチテイストが漂うアンティークショップで、よく手入れされた、古いながらも上質のキャビネットやテーブル、椅子、食器がセンスよく配置されている。店員さんに聞くとオーナーのリサ・パーディーさんはインテリアデザイナーで、アメリカ中を旅して家具を見つけ出してくるのだそうだ。同行記者2人はすっかり商品に見とれていた。中古ばかりではなく、石けんやタオル、ランチョンマットなど新品のものもあるので、お土産探しにもいいかもしれない。裏庭の、隠れ家のような場所にあるゼ—バセラー(Zerba Cellars)のテイスティングルームは、残念ながらこの日は閉まっていたが、ワイン片手に中庭でのんびりしてみたいスペース。週末はオープン(日・月 12pm ~ 5pm、火・水は予約のみ、木~土 11am~ 6pm)。

ビレッジ周辺にはこの他にもワイナリーがたくさんあり、シャトー・サンミッシェルはその代表格。また道路を隔てて向かいには、1890 年に学校として造られた建物ハリウッド・スクールハウス(Hollywood Schoolhouse)があり、現在は改装されて宴会場、結婚式場として利用されている。裏庭に面してレストラン、ビストロ(The Bistro)がある。
14525 148th Ave. NE, Woodinville
www.applefarmvillage.com
Hollywood Schoolhouse
14810 NE 15th St. ,Woodinville
hollywoodschoolhouse.com
トレイル歩きに疲れたらビールで乾杯! レッドフック・ブルワリーの工場に併設されているレストラン、フォーキャスターズ・パブを訪ねた。この日は晴天も手伝ってか、平日にも関わらず昼間からビールを楽しむ人で店内はにぎわっていた。いかにもビールに合いそうな料理ばかりが並んだメニューをよく見ると、それぞれの料理に最もよくマッチする同ブルワリー自慢のビールが併記されている。もしもビール選びに迷ったら、これを頼りに注文すれば間違いなしだ。
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続いて登場したチキンウイング($12)は、辛そうな見かけによらず味はマイルド。身は柔らかく、皮はほどよくパリッとしている。ボリュームたっぷりで、ビールの友にぴったり。味つけはESB バーベキューソースのほか、バッファローソースを選択することも可能。
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今回注文した3 品はいずれもESB ビールを使用しているが、もちろんアルコール分は飛んでいるのでお子様でも安心。ブルワリーならではの味わいを存分に楽しんでもらいたい。
同店では週替わりのおすすめフードメニューに加え、こちらも週替わりでおすすめのビールをピックアップして紹介している。デザートにまでビールを使用したものがあるのはさすが。トレイル散策やサイクリングの休憩に、ぜひ立ち寄ってみては。
14300 NE 145th St., Woodinville
☎ 425-483-3232 redhook.com
営業時間:
日・月 11am ~9pm、火~ 木 11am ~10pm、金・土11am~11pm
130 以上のワイナリーや蒸留酒製造所が軒を連ねるウディンビル市内を走るトレイル沿いにレッドフック・ブルワリー・アンド・フォーキャスターズ・パブ(Redhook Brewery and the Forecasters Pub)がある。同施設はビール工場とパブが併設しており、毎日開催される約1 時間の工場見学が人気だ。同ブルワリーは1981 年、ポール・シップマンとスターバックス創設者でもあるゴードン・ボウカーによってバラードに開業された。経営は順風満帆で、3 年後には敷地拡張のためにフリーモント(現テオ・チョコレート所在地)に移転し、さらに1994 年には12 エーカーある現在地に移っている。地ビールブームの先駆け的な存在でもあるレッドフックのビールは現在全米48 州で販売されており、愛飲者は全米にいることになる。
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中でも、ECS ノーイコール・アンバーラガーはサウンダースファンクラブ、エメラルドシティー・サポーターズのために作られたビールで、ワシントン州外では購入できないとのこと。苦みが少なく飲みやすいものから、シトラスの香り高いもの、上級者向けの苦みの強いものまで、バラエティー豊かなセレクション。トレイル散策の合間に喉を潤すのにもってこいだ。
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14300 NE. 145th St., Woodinville
☎ 425-420-1110 redhook.com
工場見学ツアー
時間:12pm、1pm、2pm、3pm、4pm
(変更の可能性あり)
料金:$5(試飲、ビアグラス代込)、5歳以下 無料