これぞブロードウェイ・マジック!「ディズニーズ・アラジン」
シアトル公演
2022年10月から40都市以上を巡り、約50万人を動員したブロードウェイ・ミュージカル「ディズニーズ・アラジン」の北米ツアー。シアトルでは、4月24日から28日までパラマウント・シアターで上演されました。 取材・文:リー・ジャニス
96年の歴史が感じられる重厚な雰囲気の会場は多くの人でにぎわい、満席状態だった。舞台幕には数々の絨毯が垂れ下げられ、中東の雰囲気が漂い公演への期待度も最高潮。ミュージカル版のオリジナル設定で、アラジンには仲の良い3人組の仲間がおり、そこのコミカルなやり取りや息ぴったりの踊りに続き、衛兵との街中での追いかけっこなど舞台上は常にバタバタしていた。このように開幕直後から怒涛の展開が始まり、あまりの見どころの多さに目が足りないと感じた。また、シーン別に衣装もセットもがらりと変わり、演出、歌、ダンスのどれをとっても見事で、パフォーマンスのレベルの高さと豪華絢爛さに圧倒された。
特筆すべきはジーニーの存在感。「フレンド・ライク・ミー」ではすさまじい合唱力と強烈な踊り、あまりの名演ぶりに感動し、帰宅後にジーニー役のマーカス・M・マーティンさんの背景や今後の出演予定を調べたほどだ。
アラジンとジーニーが出会い頭に歌う「フレンド・ライク・ミー」。一番印象に残る曲だった
舞台のセットや演出も迫力満点だった。アラジンが洞窟内でランプ以外のものに触れるという禁忌を犯すシーンも、セットが突如暗くなり重々しい声が轟いたせいか、観客席にいた子どもがあまりの怖さに泣き出してしまうという出来事があった。アニメ版で見たあの空飛ぶ絨毯のシーンもそのまま再現され、本当に空を飛んでいるかのような自然な演出に最後まで目が離せなかった。
パラマウント・シアターではさまざまなジャンルのブロードウェイミュージカルを見ることができ、今年も楽しそうな演目が目白押しだ。