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ご存知の通り、イチロー選手がマリナーズに復帰しました。2001年にシアトル・マリナーズでメジャー・デビュー後、シーズン262安打、10年連続200安打などのメジャー記録を達成し、現役引退後は日本人初の米球界殿堂入りが確実視される偉大な選手。2012年7月にニューヨーク・ヤンキースへトレードされて以来、セーフコ・フィールドがイチロー選手のホーム球場となるのは実に5年半ぶりです。
昨年4月には、マイアミ・マーリンズの一員としてシアトルへ遠征。2016年に達成したメジャー通算3,000安打を記念して、古巣マリナーズがイチロー選手のボブルヘッド(首振り人形)を配布した3連戦最終日には、最後の打席でライト後方へホームランを打ちました。平日午後の試合にもかかわらず、球場まで会いに来てくれたファンへ恩返しするような1発。もしかしたら、これがシアトルでの見納めになるかもしれないと、あの光景をしっかりと目に焼き付けた人も多いはずです。幸いにも、イチロー選手のセーフコ名場面集にはまだまだ続きがありそうです。
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移籍後も自宅を残していたシアトルには、イチロー選手自身も特別な思いを抱いていたよう。「近いのにすごく遠く感じるという存在になっていたんですけど、今回こういう形で戻ることかできて、また見える景色が違うのかなと。そこにある当たり前のようにあったものというのは、全くそうではないもの、特別なものであったということをこの5年半で感じてきました」。入団記者会見でもそう明かしています。
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2012年、シアトルでイチロー選手を見られることが当たり前でなくなった日は突然やって来ました。今回、イチロー選手がマリナーズへ復帰したのも「特別」。せっかくシアトルに住んでいるのなら、「あのとき、見に行くべきだった」とあとで後悔しないよう、セーフコ・フィールドへは早目に足を運びたいものです。
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今季のマリナーズは例年よりひと足早く、3月29日のクリーブランド・インディアンス戦でホーム開幕を迎えます。また、今オフ、壮大な争奪戦が繰り広げられた大谷翔平選手は、マリナーズと同地区のロサンゼルス・エンゼルスと契約。セーフコ・フィールドでは5月4日、6月11日、7月3日から、それぞれ3連戦が組まれています。イチロー選手は大谷選手とは「できれば投手で対戦したい」とジョークを放っていますが、さすがにこれは無理でしょうか。シアトルでの9試合のうち、1試合でも投手・大谷 VS打者・イチローの対決を見ることができれば、野球ファンとして最高の思い出になること間違いなしです。
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