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パワースポット、那須(前編)~みきこのシリメツ、ハタメーワク

みきこのシリメツ、ハタメーワク

3日前に患ったぎっくり腰を押して、20年来の友だち夫婦に会いに那須に行ってきた。夫は写真家で、アフリカの砂漠に年に1度だけ咲く花のパワーを撮影したりする。妻はヘチマ水で化粧水を作っている。毎年、十五夜の満月の日に採水し、それを化粧水にして販売する。「月子」という名前だ。春先に植えたヘチマを丹念に育て、年に1度の採水を10月に済ませたところ。全てを刈り取って何もない小さな畑には、長い棒が1本突き刺さり、彼らはカタカムナと呼んでいる。

フラワーオブライフ

カタカムナとは1万3千年ほど前の日本の古代文化で、独特の3D文字、フラワーオブライフ(小学生の時、コンパスの使い方で習った、円の中の花びら模様)をベースにした、アイウエオの原形の48字を持っていた。80首ある詩は、なぜか渦巻き型に書かれている。言霊を元にした宇宙物理学で、陰と陽のように、目に見える現象界と見えない潜象界がかみ合わさっているという。私たちは宇宙とつながっている、宇宙に生かされている、という発想だ。地球も宇宙の星のひとつなんだから、当たり前だよね。

「夕べUFO来た? みきこさんの寝ている部屋のデッキに、UFOが来るって、泊まる人がよく言うのよね。真っすぐ南が神社だから」と、平気な顔して質問する。「夕べは満月だったから」。那須はパワースポットなのだそうだ。

類は類を呼ぶらしく、彼らの周りにはいろいろな人が集まってくる。考案者、小関 勲氏には会えなかったが、着物を来て仕事をする時の「たすき掛け」や特攻隊の「ハチマキ」にパワーがあると、「ヒモトレ」という丸紐を使っての紐の結び方を教わった。日本古来の日常の生活に取り入れられた知恵なのだろう。運動会で子どもたちがするハチマキの「勝つぞ!」という意気込みや、私が育った頃の受験生がねじりハチマキで、「がんばるぞ!」と集中力を出すのもそういうことらしい。子どもの頃に読んだピーター・パンの絵本に出てくるインディアン酋長も、羽の付いた革バンドをおでこに巻いていたなぁ。古い文化には国境がないのかもしれない。

そんなS家の人たちは、自然からの恵みを感謝し大事にしている。道の駅という、ローカルの産物を売るちょっとしたモールのようなものも近所にあり、野菜も豊富だ。少し行けば日帰り温泉もあり、3カ所行ってみた。(つづく)

天海 幹子
東京都出身。2000年から2005年まで姉妹紙『北米報知』ゼネラル・マネジャー兼編集長。「静かな戦士たち」、「太平洋(うみ)を渡って」などの連載を執筆。2020年11月に日本に帰国。同年、著書『ゼッケン67番のGちゃん』を刊行。