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パワースポット、那須(後編)〜みきこのシリメツ、ハタメーワク

みきこのシリメツ、ハタメーワク

パワースポット、那須(後編)

3日前に患ったぎっくり腰を押して那須に行った。全ての物に自然と備わっている力を高めて、宇宙とつながり大地と一緒に生きよう、と生活しているS家を訪れた。自然からの恵みを、感謝し大事にしている。山に囲まれ、温泉も豊富で3カ所温泉めぐりをした。

近くの日帰り温泉は、まさに昭和30年代にタイムスリップしたような、ただ硫黄の臭いのきつい湯舟が2つあるだけで、シャンプーなどのアメニティーもなく水道はお湯も出ない。床はキシキシ音を立て、子どもの頃父に連れられてよく行った、ひなびた温泉宿を思い出させてくれた。トイレは和式で水洗ではない。ただふたがのっかっている、という感じ。

「大丈夫だった?」と聞かれ、「何が?」と答えると、「トイレ。下から手がニューッと出てこなかったかと思って」

S家の彼らと話していると薄い透明な膜を張った、その向こうの世界を垣間見るようだ。実は私はそういうの大好きだから、すぐ乗ってしまって、そちらの世界と行ったり来たりする。類は友を呼ぶのだろう。

この硫黄温泉は、自然の胸に抱かれ温めてもらっているようで、自然との一体感、自然の中に私が入り私の中に自然が入ってくるというような感じが、今も持続している。

「みきこさん、手相見てもらわない?」と知り合いの鑑定士を紹介された。「私の鑑定は占うことではなくて、宇宙に1つだけのメッセージを、手のひらを通して伝えさせていただく……不安や心配を安心と安らぎに変えるよう、エールと元気をお届けする応援のメッセージ」と言う方。早速両手の写真を撮って、ケータイで送ってみる。私の生命線は短いが何本も何本も入っていて、本当にご先祖さまから護られているそうだ。左が先天的、右が現在とのこと。

「みきこさん、ご結婚は?」

「2度離婚したから、それはもういいんですけれどね」

「恋する乙女のような素晴らしい結婚線がしっかり、右と左に入っています!」

と言われて、途方に暮れている。悪い気はしないけれど。

天皇の御用邸が那須にあるのもパワースポットだからなのかはわからないが、ぎっくり腰が3日間で完治して帰ってきたのは事実だった。パワースポットは宇宙と大地の間にいる私たちに、人間の持っている自然の力を目覚めさせ、引っ張り出すパワーのある場所なのかもしれない。カタカムナ。

天海 幹子
東京都出身。2000年から2005年まで姉妹紙『北米報知』ゼネラル・マネジャー兼編集長。「静かな戦士たち」、「太平洋(うみ)を渡って」などの連載を執筆。2020年11月に日本に帰国。同年、著書『ゼッケン67番のGちゃん』を刊行。