シニアがなんだ!カナダで再出発
在シアトル日本国総領事館に現地職員として39年間勤務した後に、2013年定年退職した武田 彰さんが綴るハッピー・シニアライフ。国境を超えるものの、シアトルに隣接する都市であるカナダのバンクーバーB.C.で過ごす海外リタイアメント生活を、お伝えしていきます。
ボウエン島で森林浴
長かった冬の終わりを告げるかのように桜が散りゆく4月上旬、友人の誕生日祝いを兼ね、ボウエン島を訪れた。ウエスト・バンクーバーの西に位置するホースシュー・ベイからフェリーでわずか20分。料金もほかのフェリー区間よりうんと安上がりだ。
近いのでいつでも行けると思っていたが、今回が初旅行。フェリーが出ると雪を頂く山々が見渡せ、プチバカンス気分が盛り上がる。見とれている間に、早くもスナッグ・コーブ沿いに並ぶ別荘風住宅が目に飛び込んでくる。都会からこんなに近いのに、すでに「島」の雰囲気が迫る。
森や遊歩道がほとんどを占める人口約4,000人のボウエン島には、ヨットやキャンプが楽しめる夏季を中心に約1,500人の観光客がやって来る。バンクーバーからは日帰りできる距離だが、宿泊施設も少数ある。木と気イン(https://kitoki-inn.com)は日本式露天風呂付きの宿で、島ステイを十分に味わいたい方に良さそう。
われわれはと言えば、フェリー下船後、船着き場周辺のレストランやカフェ、アート・ギャラリーなどを尻目にキラニー湖へとドライブ。約5分で駐車場に到着し、1周1時間強のトレイルを歩く。森林に囲まれた空間は、耳を澄ませばフクロウの鳴き声でも聞こえてきそう。シアトル近郊のリトル・サイ山のハイキングで味わった、マイナスイオンのシャワーを思い出す。上り下りも少しあって、歩き終わるとエアロビック効果を感じる。
車で来ると、特に夏の週末は混み合うため、帰りのフェリーには長い列ができる。そのため、ホースシュー・ベイに駐車し、フット・パッセンジャー(歩行者)として乗船することを勧めたい。この場合、島に着いてキラニー湖を1周する往復コースで約3時間かかる。ハイキングには、スナッグ・コーブからドルマン・ポイントへ向かうのもおすすめだ。所要時間は約1時間半。クイーン・シャーロット・チャンネルの美しい眺めが堪能できる。また、島で最も高いガードナー山での本格登山は10キロのコースとなる。頂上からのハウ湾の眺望が絶景らしい。そのほか、カヤックやSUPのレンタル、オーシャンビュー付き9ホールのゴルフコースなども人気のアクティビティーだ。
食事や買い物を満喫するなら、船着き場近辺や、そこから坂道を曲がったところにあるアーチザン・スクエアへ。オーガニックのローカル食材を使うチョコレート・カフェ、ココア・ウエスト(https://cocoawest.com)は、土産を買うのに便利。ここは、わがピックル・ボール仲間がノース・バンクーバーから通いで経営する店でもある。ほんのり甘いホット・チョコレートが名物だ。ランチなら、スープ、パニーニ、サラダなどを提供するアーチザン・イーツ・カフェ(https://artisaneats.ca)が有名。また、ルルレモンの創設メンバーによるサステナブル・ヨガウエア店、ムーブメント・グローバル(www.movementglobal.com)もある。